1日午後1時、済州市朝天邑の海沿いの道路近くの岩に張り付いたアカモク。チェ・チュンイル記者
◇「生臭いにおい漂うアカモク」
ここは海水浴場とカフェ、飲食店などがあり、観光客が主に通る海岸道だ。ソウルから来た観光客のキム・ジヨンさんは「近くの食堂で食事をしたところだが、生臭さに驚いて海を見てさらに驚いた。見るだけでにおいがするので早く片付けてほしい」と話した。
◇船舶運航脅かし、食べることもできない悩みの種
「済州の海の招かれざる客」と呼ばれるアカモクが浜辺を覆うと済州道が緊張している。アカモクは毎年済州をはじめ全羅南道(チョンラナムド)海域などに1~2万トンほど流入する。大規模な帯状で最大5メートルまで成長し移動する。養殖場の網や施設に絡んで漁業活動に支障を与え、船のスクリューに巻き込まれ漁業関係者と船を利用する観光客の安全まで脅かす。済州の郷土料理である「モムグク」を作るホンダワラと違いゆでてもなかなかやわらかくならない。
◇中国南部で発生し海流に乗ってくる
主要発生地は中国南部海岸が有力だ。このアカモクは水温が上昇する春に中国東海岸で発生し、大規模な帯状で黒潮に乗って北上する。これが対馬海流に乗って韓国南西部海域と済州島に流入する。2015年を前後して中国は海洋経済発展を目的に海の森造成と生態環境復元に向けアカモクを大量移植した。済州の海にアカモクが見え始めた時期と一致する。韓国国立水産科学院は2015年に流入した個体の遺伝子を分析した結果、東シナ海沿岸で発生したものと一致するのを確認した。
◇アカモク以外にワカメ類まで押し寄せて
アカモクは毎年3~6月に集中的に押し寄せる。済州地域のアカモク回収量は2019年に860トン、2020年に5181トン、2021年に9755トンと毎年大きく増えたが、2022年からは年間500トン水準を示している。今年は2月までで約50トンを回収した。先月17日には済州市の梨湖(イホ)海水浴場一帯にワカメ類とみられる海草類が大量に打ち上げられ済州道が集中浄化作業に出た。この日回収した海草類だけで20トンに達した。
◇2021年には9755トンを肥料として供給
済州道はこれまで回収した海草類を地域農家に肥料用として分けるなど処理方法に苦心している。酸性化した土地に塩分とミネラルが含まれた海草類が溶け込み土地を中性化できるためだ。済州市は2021年には回収した9755トンの大部分を堆肥として農家に供給した。2022年からは回収したアカモクの量が多くなくほとんどが焼却処理された。済州道関係者は「最近強風が吹き海草類が大量に押し寄せたと推定している。今年は1月から多くの海草類が流れてきており持続してモニタリング調査を進めている」とした。
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