◇全米「反トランプデモ」に登場した「Ｎｏ　Ｋｉｎｇ」

こうした中、メーデーであるこの日、全米はもちろん世界各地ではトランプ氏の政策に反対する大規模集会が同時多発的に開かれた。


米国５０州で開かれた集会は関税による物価上昇圧迫に対する庶民の不満や懸念をはじめ、強圧的な移民政策、連邦公務員の解雇、縮小した福祉恩恵、言論の自由の侵害、多様性に対する不正など、トランプ氏が掲げた政策に反対するさまざまな集団が連合した形で行われた。


集会現場にはトランプ氏が憲法まで無視する過度な行政命令で国政を運営する方式を批判する内容の「ハンズオフ（Ｈａｎｄｓ　Ｏｆｆ・手を引け）」というスローガンとともに、権威的なトランプ氏の態度を批判するための「Ｎｏ　Ｋｉｎｇｓ」などのプラカードが掲げられた。

欧州・アジアで開かれた集会は関税に対する批判が主だった。集会出席者は「米国が欧州の物を望まなければ、我々は他の国に売ればいいだけのことだ」と叫ぶなど関税政策で製造業の雇用が消える危機に陥った状況を批判する声が噴出した。

◇米国の消費・成長に続いて生産指標まで警告灯

一方、米国供給管理者協会（ＩＳＭ）が発表した先月の製造業購買担当者指数（ＰＭＩ）は前月比０．３ポイント下落した４８．７を記録した。先月に続いて２カ月連続下落した数値で、該当の指標が５０を下回る場合、景気萎縮フェーズに入ったことを意味する。特に生産指数が４８．３から４４．０へと大幅に下落した。トランプ氏の関税によって米国企業がかえって生産を断念する状況に追い込まれているということだ。

先月米国民間企業の雇用は前月比６万２０００人増となり、市場の予想値（１２万人）の半分水準を記録した。雇用市場の冷却は国内総生産（ＧＤＰ）の３分の２を占める消費鈍化につながり、１－３月期の消費者支出は前四半期比１．８％増加にとどまった。２０２３年１－３月期以降最も低い増加幅だ。すでに米国の１－３月期ＧＤＰは－０．３％のマイナス成長となった。米国のＧＤＰがマイナス成長したのは２０２２年１－３月期以降初めてとなる。

ワシントン・ポスト（ＷＰ）は最近公開された７つの世論調査を分析した記事で「関税が現在トランプ大統領と関連した問題を引き起こす核心原因」としながら「関税こそが重要なのだ、愚か者（Ｉｔ‘ｓ　ｔｈｅ　ｔａｒｉｆｆｓ，ｓｔｕｐｉｄ）」と指摘した。


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