尹錫悦前大統領夫妻が4月11日にソウル・漢南洞の官邸を離れ瑞草洞の私邸に移動している。チョン・ミンギュ記者
最近暴露されたチョン氏関連の疑惑は衝撃的だ。金氏が代表を務めていたコバナコンテンツの顧問だったチョン氏は、尹氏の大統領選挙候補キャンプに参加している時から世間の注目の対象だった。それでも尹政府発足2カ月後の2022年7月、チョン氏の娘が「父さん、大統領室文化体育秘書官と市民社会首席室に公文書発送したそうです」というテキストメッセージを送った事実が検察捜査で明らかになった。
チョン氏が「A行政官はチャーリーの下に入って…」とメッセージを返したが、チャーリーとはチョン氏の義理兄弟の別称だという。金氏と関連したシャーマンが大統領室の人事や業務に介入したとすれば深刻な問題だ。チョン氏が旧統一教会関係者から金氏への贈り物名目でダイヤモンドネックレスやブランドバッグなどを受け取った情況まで明るみになった。検察は旧統一教会のカンボジア事業が政府の公的開発援助(ODA)と関連したものかどうかも捜査するという。金氏に手渡されたどうかは不明だが、ダイヤモンドネックレスをなくしたというチョン氏の主張は常識からは大きく外れる。これとは別に尹氏夫婦公薦介入論争の中心に立っているミョン・テギュン氏は記者たちに「(金)夫人が『曺国(チョ・グク)捜査の時、金相玟(キム・サンミン)(元検事)が頑張ってくれた。面倒を見てやってほしい』と話した」と主張した。検察が再捜査を決めたドイツモーターズ株価操作など敏感な事件も真実の究明を待っている。
尹氏と金氏は今からでも国民の前で謝罪し、提起された疑惑に対してはっきりと答えなければならない。昨日のように私邸前に集まった過激支持者を盾にして捜査を回避して危機を免れようとする姿を見せれば世論の怒りと批判を避けることは難しい。
検察は尹氏の罷免から26日経過してようやく強制捜査に出た。チョン氏やミョン氏は尹錫悦政府スタート前後から不審な行動を繰り返していたが、過去3年間捜査機関は目を閉じていたのか。検察は尹氏が罷免されるかどうか不確実だった今年1月、チョン氏に対する拘束令状が裁判所で棄却されると不拘束起訴を決めた。当時捜査が徹底的に行われていれば裁判所が令状を棄却しただろうか。検察は今からでも一点の疑惑も残らないように厳正に捜査しなければならない。生きた権力の顔色を伺って不正容疑を握りつぶしたという疑いを払拭できないなら、検察はより激しい改革要求にさらされることになるだろう。
この記事を読んで…