北朝鮮の金正恩国務委員長が21日、北朝鮮を訪問したロシアのショイグ安全保障会議書記と「信頼のある温かい雰囲気の中で対話をした」と、朝鮮中央通信が22日報じた。 [聯合ニュース]
関連事情に詳しい複数の情報筋は30日、中央日報に「北が7日から10日までロシア戦勝節行事が開かれるモスクワに代表団を送る」とし「代表団長は前例からみて崔竜海(チェ・ヨンヘ)最高人民会議常任委員長が指名される可能性が高い」と話した。北朝鮮はロシア戦勝節70周年慶祝行事が開催された2015年にも憲法上の「国家首班」だった金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長を団長とする代表団を派遣した。
当初、外交関係者の間では、最近の朝ロ間の密着を考慮すると、プーチン大統領が影響力を誇示するために注力する今回の行事に金正恩委員長が出席する可能性が高いという見方があった。プーチン大統領が昨年6月の北朝鮮訪問当時に金正恩委員長の答礼訪問としてモスクワに招請したうえ、双方が最近、北朝鮮軍のロシア派兵を公式的に認めるなど軍事協力にさらに弾みがつく雰囲気だったからだ。
しかし結局、金委員長が出席しないのは「多国間外交デビュー戦」に対する負担が作用した可能性が高い。首脳外交の経験が少ないうえ、複数の首脳の一人として待遇を受けること自体を「最高尊厳」金正恩委員長が避けるためとみられる。実際、ロシア側は「最高位級接触」などに言及しながら雰囲気を形成してきたが、北朝鮮メディアなどの反応は全くなかった。
金正恩委員長がトランプ米大統領の対中国関税戦争、12・3戒厳と尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領罷免および6・3早期大統領選挙と続く韓米関連の情勢も考慮した可能性がある。
実際、別の情報筋は「金正恩委員長が先月21日に北朝鮮を訪問したプーチン大統領の最側近ショイグ安全保障会議書記と会った当時、国内外の状況のため席を外すことはできないという立場をプーチン大統領に間接的に伝えたと理解している」と話した。
ただ、金委員長が戦勝節行事への出席でなく単独のロシア訪問形式でプーチン大統領と会う可能性は依然として残っている。これとは別にロシアが招請した北朝鮮軍の戦勝節軍事パレード参加が実現するかどうかもまだ確実でない。
朝ロ間の密着は今後も続く見通しだ。ロシア国営タス通信によると、朝ロはこの日、両国の国境である豆満江(トゥマンガン)に架ける自動車橋梁の着工式を行う。行事にはロシアのミシュスチン首相と北朝鮮の朴泰成(パク・テソン)首相らが出席する予定だ。
2026年12月に完工する予定のこの橋梁が開通すれば、両国は多くの物品を迅速に運送できる陸路インフラを保有する。自動車橋梁があれば物流のほか旅客の輸送も可能になり、経済・軍事関連交流に加えて金委員長の重点事業である観光業にも寄与するというのが専門家らの見方だ。
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