米バージニア州ニューポートニューズにあるハンティントン・インガルス・インダストリーズの造船所で軍艦を作っている。この会社は米最大の防衛産業造船業者だ。7日にHD現代と事業協力を結んだ。[写真 ハンティントン・インガルス・インダストリーズ]
だが韓国の造船業界では「実際の協力までには超えなければならない課題も少なくない」という声が出ている。実際に米国との協力を推進し米国の造船所で船を作るとしても難題が多いという話だ。
まず米国には船を作れる熟練した人材がない。ウォール・ストリート・ジャーナルは先月、米労働統計局の資料を引用し、米国の造船所の人材が第2次世界大戦当時と比較して5分の1水準にも満たないと報道した。第2次世界大戦当時に米国の造船所では100万人を超える人材を雇用していたが、1980年代以降は造船業従事者が20万人を超えたことがない。青年労働力の流入もなかった。多くの大学で造船学科を廃止したり統廃合したためだ。
昨年韓国のハンファオーシャンが買収したフィリー造船所だけ見ても米国内の船舶建造がどれだけ容易でないのかがわかる、昨年末にフィリー造船所は約1700人の人材を雇用したが、このうち3分の2は未熟練者の間接雇用で、熟練工は70人ほどにすぎなかった。現在ハンファオーシャンが韓国から派遣した人材が1000人余りを教育中だ。不足する人材と低い生産性のため船舶建造速度も遅い。フィリー造船所は現在3年分の手持ち工事量を確保しているが、総規模は10隻未満だ。年間で商船1~2隻程度にとどまるという計算だ。ハンファオーシャンの場合、艦艇のほか商船だけで年間30~40隻を建造している。
米国内で船舶資機材供給網が弱まっている点も問題だ。造船所周辺に鉄鋼、エンジンなどを供給できる供給網が確保されなくてはならないが、米国の造船業は生態系全般がともに崩れた。HD現代重工業が7日に米国最大の防衛産業造船所ハンティントン・インガルス・インダストリーズと建造生産効率を上げる内容の協約を締結し、米国代表防衛産業資機材企業とも供給網協力でMOUを結んでおり、いまは始まるのを残すだけだ。
米国内建造での建造が短期間では難しいならば、米国の船舶を韓国の造船会社で建造したり半組み立て後に米国で最終建造するのも方法だ。だが現在は米国の規制のため難しい。米海軍の船舶を同盟国で例外的に建造できるようにする「海軍準備態勢保障法」や商船建造に対する「米国のための船舶法」が連邦議会に発議されたが、まだ確定していない。
このように韓国の造船業界にリスクが小さくないだけに今後の政府間交渉の内容が重要だ。期待を集めた米海軍艦艇の整備・修理・オーバーホール(MRO)事業の場合今年に入っては受注の知らせはまだない。韓国国家戦略研究員院のキム・テヨン軍事専門研究委員は21日に開かれた韓米産業協力カンファレンスで、「韓国の複数の造船会社が米国艦艇MRO事業に参入する状況だが、場合によっては低価格受注と出血競争につながる恐れがある。韓国の造船所協議体が米海軍MROを一括受注することを検討する必要がある」と話した。ハンファオーシャンのキム・ホジュン特殊船事業部常務は「現在は補給艦MROだけ可能だが今後軍艦MROまで韓国企業が参加できるよう政府間交渉が必要だ」と話した。
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