巫俗人「コンジン法師」ことチョン・ソンベ氏(64)が7日、ソウル陽川区(ヤンチョング)南部地裁で開かれた不法政治資金授受疑惑関連の裁判を終えて裁判所庁舎を出て車両に乗り込もうとしている。[写真 聯合ニュース]
24日、法曹界によると、ソウル南部地検仮想資産犯罪合同捜査部(部長パク・ゴヌク)はユン氏がチョン氏に渡した金品が統一教会のカンボジアODA事業推進と関連があるとみて捜査を進めている。検察はユン氏が「尹前大統領と単独面談し、国家単位のODA連帯プロジェクトに同意した」という趣旨で話したことを確認した。検察関係者は「関連の疑惑を詳しく調べている」と説明した。
検察は2022年3月、ユン氏が当時大統領就任を控えていた尹錫悦氏と妻の金氏に引継委員会で会った後、このような事業推進しようとしたのではないかと疑っている。統一教会関係者などによると、統一教会は同年メコン川の核心敷地に「アジア太平洋ユニオン本部」を建設する事業を推進していた。ユン氏はフン・セン(Hun Sen)当時カンボジア首相ともこの事業を議論していたが資金不足で遅延していた状態だったという。
だが、ユン氏は2022年5月、ある統一教会行事で「3月22日に大統領と会って1時間の単独面談をしながらこの国が進むべき方向について話をし、暗黙的同意を求めたことがある」と話した。続いて「ODAは非政府組織(NGO)ファンディングが可能で国が支援する」と話した。同じ月、別の行事では「統一世界のためには財源の確保が重要だ。その方式がODA」としながら「尹大統領と会った時に話をし、合意という表現は適切ではなく、同意があった」と主張した。
検察はこの直後である2022年6月に企画財政部が第4回韓国・カンボジアODA統合政策協議でカンボジアに対する対外経済協力基金(EDCF)借款支援限度額を従来の7億ドル(現レートで約1000億円)から15億ドルに増やす基本約定を締結した点に注目している。限度額が増えれば中期候補事業承認手続きが簡素化されるなどODA事業が受注しやすくなるためだ。ほぼ同じ時期に金建希氏がNATO(北大西洋条約機構)歴訪当時に着用した6000万ウォン(約600万円)台のVan Cleef & Arpelsのネックレスに関連し、財産申告漏れ問題が持ち上がり、ユン氏がチョン氏に「金夫人に、借りずに(これを)しなさい」と伝えてダイヤモンドネックレスを渡したものと検察はみている。
それから約5カ月後の2022年11月、尹前大統領夫妻は東南アジア歴訪過程でカンボジア・プノンペンを訪問した。この時、金建希氏は公式プログラムではなく現地韓国政府の支援を受けた2カ所の病院を訪問して患者と韓国人医療スタッフを激励した。また、心臓病を患う14歳の子どもの家庭を訪問して写真を撮影したが、過去にオードリー・ヘップバーンのソマリア飢餓児童の写真と似ていて演出問題が取り沙汰された。
検察は尹錫悦政府当時、統一教会が実際にカンボジアODA関連事業で特恵を受けたかどうか調べていることが確認された。ユン氏が翌年2023年5月、統一教会行事で「国家単位のODA連帯プロジェクトとして行われる『メコン・ピースパーク・プロジェクト』はすでに実体的建設のための大航海が始まった」と言及した事実も確認した。
ただしユン氏が同年、内部葛藤で世界本部長を解任されてODA受注および本部設立は取りやめになったとみられる。検察は近くチョン氏などを再び召喚して調査を行う予定だ。これについて統一教会関係者は「ユン氏が尹前大統領に会ったという話は聞いたが、2年前に統一教会を辞めた」とし「具体的にカンボジアODA関連事業が進展したものはなかった」と説明した。
この記事を読んで…