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米国のドナルド・トランプ大統領が２２日（現地時間）、自身のソーシャルメディアにフォックス（ＦＯＸ）ニュース女性司会者ダナ・ペリーノ氏（５２）の新刊について紹介した投稿の一部分だ。トランプ氏は「フォックスニュースのスターであり、とても立派な人であるダナ・ペリーノの新しい本『Ｉ　Ｗｉｓｈ　Ｓｏｍｅｏｎｅ　Ｈａｄ　Ｔｏｌｄ　Ｍｅ…』が出版された。題名がすべてを物語っている」と好評し、直ちに購入するよう勧めた。


ジョージ・Ｗ・ブッシュ政権だった２００７～２００９年にホワイトハウス報道官を務めたペリーノ氏はフォックスニュースの看板番組『Ｔｈｅ　Ｆｉｖｅ』『Ａｍｅｒｉｃａ’ｓ　Ｎｅｗｓｒｏｏｍ』の共同司会者として活躍中の保守志向のキャスターだ。ペリーノ氏が最近出した新刊『Ｉ　Ｗｉｓｈ　Ｓｏｍｅｏｎｅ　Ｈａｄ　Ｔｏｌｄ　Ｍｅ…』は家族や友人、メンターらとの対話の中から得た洞察をまとめた本だ。ペリーノ氏はこの中で「私にとって最も印象深かった助言は業務的なものではなく個人的な関係に関するものだった」と告白した。また「信頼できるニュースソースを選択して過度な情報消費は避けることが重要で、規則的な運動と瞑想を通じてストレスを管理することが必要だ」とした。


トランプ氏は保守志向の放送局フォックスに「無限の愛情」を注いで蜜月関係を維持してきたことは良く知られている。トランプ氏は執権第１期だった２０１７年大統領就任直後、最初のインタビューをフォックスニュースと行ったことに続き、今年１月再執権以降、ホワイトハウス執務室で行った初放送インタビューもフォックスニュースのキャスター、ショーン・ハニティ氏に機会を与えた。１月前任者のジョー・バイデン前大統領が残した書簡をフォックスニュースに独占公開するなど特ダネ機会も集中させた。

◇「機密漏洩問題」国防長官らもフォックス出身

トランプ氏はフォックスを政府権力の登竜門としても利用している。

最近相次ぐ機密漏洩問題で更迭説が提起されたピート・ヘグセス国防長官がフォックスの『Ｆｏｘ＆Ｆｒｉｅｎｄｓ』の共司会者出身だ。ヘグセス氏はこの日、古巣『Ｆｏｘ＆Ｆｒｉｅｎｄｓ』に出演して機密軍事情報を民間メッセンジャーで共有したという疑惑が追加で提起されたことについて「国防総省から追い出された人々が（内容）漏洩を通じて大統領アジェンダを妨害しようと試みている。どんなことも現実に基づいていない」と主張した。

ヘグセス氏以外にもショーン・ダフィー交通長官、ホワイトハウスのセバスチャン・ゴルカ副補佐官兼対テロ首席顧問、ダン・ボンジーノ連邦捜査局（ＦＢＩ）副長官らもフォックスで司会者あるいは解説者として活躍した人々だ。

トランプ氏はフォックス以外のＡＰ通信、ＣＮＮ、ニューヨーク・タイムズ（ＮＹＴ）、ワシントン・ポスト（ＷＰ）など制度圏の主要メディアに対しては敵対感をむき出しにしている。最近「メキシコ湾」を「アメリカ湾」に名称表記を変更する要求を拒否したという理由で、ホワイトハウスの取材を拒否されたＡＰが米連邦裁判所に出した訴訟で勝訴すると、ホワイトハウスが主要ニュース通信社の「プール取材」接近権を大幅に縮小するとするなど、事実上報復措置に出た。

◇ＣＢＳ首席プロデューサー辞任…トランプ氏からの圧力？

トランプ氏が公開的に閉鎖を圧迫してきたＣＢＳ放送の時事番組『６０　Ｍｉｎｕｔｅｓ』のエグゼクティブ・プロデューサー、ビル・オーウェンス氏もこの日突然辞任を発表し、トランプ政府に入り言論の独立が脅威を受けているという主張を展開した。オーウェンス氏は職員に送ったメモで「過去数カ月間、この番組を私が過去にしてきたやり方で運営し、番組と視聴者に正しいことは何か、これ以上独立的に決定できないという事実が明確になった」と辞任の理由を明らかにした。

トランプ氏は昨年の大統領選挙レースの際、同番組が民主党大統領候補カマラ・ハリス前副大統領をインタビューして不利な発言を消すなど放送内容を操作したとし、２００億ドル（約２兆８０００億円）規模の訴訟を起こした。最近ではこの番組がウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領にインタビューを行い、トランプ氏のグリーンランド掌握の試みを批判的に報道すると、トランプ氏は放送免許を剥奪すべきだと脅しをかけた。

トランプ政府が「ボイス・オブ・アメリカ（ＶＯＡ）、ラジオ・フリー・アジア（ＲＦＡ）など政府支援金を受ける言論メディアの閉鎖を推進していることに対しては、この日連邦地方裁判所の制動判決が下された。ロイス・ラムバス連邦地裁判事はこれらメディアの職員と契約企業を復職させて放送再開に必要なすべての措置を取るよう政府に命じた。

一方、トランプ氏は２６日に執り行われるフランシスコ教皇の葬儀ミサに出席するために２５日出国する予定だ。また、来月１３～１６日にはサウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦（ＵＡＥ）などを歴訪する計画だ。