17日午前、慶尚北道義城郡(ウソングン)の元堂山(ウォンダンサン)一帯は焼け跡の黒と樹木の緑色が対照をなしている。先月、嶺南(ヨンナム、慶尚道)で発生した大規模な山火事は全国的に約10万4000ヘクタールの山林を焼いた。 [中央フォト]
山林庁によると、今年の山火事防止対策予算は国費基準で578億6900万ウォンだ。山火事鎮火車など地上用鎮火装備拡充から山火事災難特殊鎮火隊員の人件費、農家のごみ焼却を防ぐための営農副産物破砕機レンタル費用など19項目が策定された。2017年ごろ150億ウォン台だった山火事防止予算は2021年から500億ウォン台に増え、その後の数年間はほぼ同じ水準を維持している。
大規模な山火事が発生した翌年に予防予算はむしろ減少している。過去最長期間の山火事が蔚珍(ウルチン)・江原(カンウォン)で発生した2022年、山火事防止対策予算は552億8200万ウォンだったが、翌年は511億1700万ウォンに減った。山林庁の関係者は「当時、大規模な山火事に対応するために山林ヘリコプターの導入が至急だという指摘があり、ヘリコプター予算が大幅に増えた影響」と説明した。
実際、山林ヘリコプター導入・運営のための予算は蔚珍山火事が発生した2022年の828億ウォンから翌年は1100億ウォン台に増えた。しかし今年は938億ウォンに減った。災難直後の関心が集中する時期だけ関連予算が一時的に増え、その後はまた減少するという状況が繰り返されているのだ。山火事予防予算は数年間にわたり横ばいだが、大規模な山火事被害額と関連復旧費は膨らんでいる。蔚珍・江原山火事の場合、被害額は2261億ウォンと集計され、復旧費に4160億ウォンが策定された。先月発生した慶北(キョンブク)山火事施設被害額は1兆1306億ウォンにのぼり、被害復旧のために1兆4000億ウォンの補正予算が投入される予定だ。
慶一大消防防災学部のイ・ヨンジュ教授は「事後に数千億ウォン、数兆ウォン台の復旧費を使うのではなく、春季の大規模な山火事が例年化しているだけに、原因を把握して対応することに国家予算を集中的に投入するべき」と指摘した。
専門家らは山火事予防のための必須事業を山火事災難対応事業として統合的に予算管理するべきだと助言している。山林庁では大規模な山火事が発生した場合に鎮火の核心に挙げられる林道を山火事防止課でなく木材産業課が担当している。林道は国内で1968年から建設され始めたが、主に伐採した木材を運ぶための作業用が大半だった。また、幅が最大5メートルの山火事鎮火林道は2020年から予算を投入して建設が始まった。
何よりも韓国の山を潜在的な火の爆弾にした主な原因に挙げられる落葉など可燃物を除去することも重要だ。しかし関連事業は山林庁山林資源課で森整備事業として消極的に行われている。半面、米国山林庁は2022年から10年計画で山林の可燃物管理のために毎年3000億円ほどの予算を投入している。ヘリコプターや人員の補充よりも森に積もった可燃物を減らすための管理が必要だという指摘の中、間伐をして落葉などを取り除くのに使う費用だ。
韓国災難管理学会のムン・ヒョンチョル副会長(湖南大教授)は「韓国戦争(朝鮮戦争)以降の山林緑化の過程で森はそのまま置くべきだという固定観念があり、50年以上にわたり山に過度な可燃物が積もるのを放置したため、大規模な山火事が避けられなくなった」とし「火の爆弾となった山を安全な山にするために林道を建設し、過密な森を管理していかなければいけない」と強調した。
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