ルーシー・グオ氏、[SNS キャプチャー]
米経済専門メディアのフォーブスによると、スケールAIの企業価値は250億ドル(約3兆5489億円)に達する。
グオ氏は2018年に会社を離れたが、約5%の株式を保有している。グオ氏の株式価値は約12億ドルと評価された。スケールAIを離れてからグオ氏が立ち上げた2番目のスタートアップ、パッシーズの企業価値まで含めれば、彼女の総資産は12億5000万ドルに達するとみられるとフォーブスは伝えた。
未上場企業であるスケールAIは現在株主と投資家の間の株式取引を可能にする公開買い付けを終える段階にあり、この取引は6月1日までに完了する予定だ。
現在40歳未満で自力で成功した女性富豪はグオ氏を含め6人にすぎない。グオ氏は女性富豪1位になったことに対し「特に深く考えていない。すべては書類上に存在するだけ」と話した。
中国系移民の家庭で生まれたグオ氏はサンフランシスコで育ち、中学生時代からコーディングを始めた。
カーネギー・メロン大学コンピュータ工学科を中退した後、ペイパル共同設立者のピーター・ティール氏が運営するフェローシップに参加した。グオ氏は2015年にQ&Aプラットフォーム「Quora」の製品デザイナーとして働きながらアレクサンダー・ワン氏と出会い、その後スナップチャットで働き2016年にワン氏とともにスケールAIを共同設立した。ワン氏が最高経営責任者(CEO)を務め、グオ氏は運営と製品デザインチームを率いた。
スケールAIはAI学習用データにラベルを付ける作業を主力事業で始め、現在はウクライナの衛星イメージ分析、オープンAIのチャットGPT訓練支援などに事業領域を拡張している。
だが2018年に会社の運営方向に対する意見の相違により2人に不和が生じ、グオ氏は会社を離れ新たなスタートアップのパッシーズを設立して約1億5000万ドルの企業価値を生み出した。
パッシーズは著名人がファンと交流できるプラットフォームで、体操選手のオリビア・ダン、バスケットボール選手のシャキール・オニール、DJのカイゴらと契約を結んだ。パッシーズはメアリー・ミーカーのボンドキャピタルなどから5000万ドルの投資を受け、企業価値は1億5000万ドルと評価された。
一方、スケールAIの企業価値上昇によりグオ氏の同業者だったワン氏の財産も20億ドルから36億ドルに増加した。
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