4月16日、米国で突風を起こした中国ECアプリ「DHゲート」のロゴ。[写真 聯合ニュース]
関税戦争に備えて代案を探した米国の一部消費者が中国のECアプリを通じて製品を購入し始めたのだ。米国の消費者は配送料と関税を含めても小売店より価格がはるかに安いと判断した。
◇「運送費と関税含めても米国より安い」
事件の発端はこうだ。米国の一部輸入業者は関税負担を避けるため中国の供給元に注文取り消しを要請したり出荷を中断させた。これに対し中国の製造企業はTikTokを通じて米国の消費者に「倉庫大放出」を進めた。コンテナに入れられたまま在庫になりそうな商品が思いがけない販路を見つけた形だ。
中国の製造工場関係者らはTikTok動画を通じて「ラグジュアリーブランドのOEM工場」と紹介し、「中国工場から直接買おう」と個人輸入を誘導した。中国のECサイトはホームページに中国語と英語で「世界の顧客を歓迎します」という案内文を表示させた。
こうした動画が拡散するとECサイトごとにダウンロードが急増した。製造工場は「欧州のブランド品も実際の生産は中国」という説明とともに生産工場で直接ライブ配信を通じて生産過程を見せ信頼を得た。
あるクリエーターは有名ブランドの製品を紹介しながら「こうした製品もECサイトで安く求められる」と示し、また別の人は自社工場で生産されたルルレモンのヨガウエアを「出庫価格は5~6ドル、米国での定価は100ドル以上」としながら比較した。
◇米中関税戦争を機会にライブ配信など新型マーケティング注目
DHゲート、タオバオ、シーインなど中国ECサイトはこれまで個人輸入を望む華僑が顧客の大部分だった。だが今回の関税戦争を契機に予期しない反転が見られた。米国の関税政策という特殊な背景の下でむしろ米国をはじめとする世界の消費者が自発的にECサイトに集まり、「流入大爆発」現象が広がったのだ。
また、中国の電子商取引は物流インフラから決済システムまで全方向で成熟したことを端的に見せる。「第1次関税戦争」の時にはなかったEC、ライブ配信、個人輸入など消費者の選択肢も多様化した。
今回のブームは米中の関税衝突という「政策特需」とライブ配信基盤の新型消費経済が結合した結果だ。しかし両国の貿易がこうした瞬間的な人気にだけ頼るのは難しいという懐疑論も出ている。米国は現在200ドル以下の個人輸入商品に限り免税政策を維持しているが、この免税基準も近く調整範囲に含まれる予定であるためだ。
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