韓国空軍の軽攻撃機「KA-1」。[写真 韓国空軍]
21日、韓国空軍によると、操縦士の陳述などに基づいて調査した結果、緊急投下ボタン(Emergency Jettison Button)を不注意に押した後方席操縦士の過失によって今回の事故が発生した。バイザーの上から夜間透視鏡を使用していた操縦士がヒーターの送風がバイザーの間に入ってきたためこれを不快に感じて風量をを調節しようとしたところボタンを押し間違えたという。
空軍関係者は「KA-1の場合、送風口の真上に緊急投下ボタンがある」と話した。緊急投下ボタンを押すと、航空機に問題が発生した場合に外部装着物を落下させることができるが、これを通じて機体の爆発リスクを低減したり揚力推進を受けたりすることができる。事故機操縦士に対しては安全分野処分審議委員会の事故調査以降、審議委員会に送って問責水準が最終的に決まる予定だ。
今回の事故は空軍原州(ウォンジュ)基地所属の「KA-1」4機が夜間射撃模擬訓練を実施している際に発生した。このうち1機が午後7時54分ごろ離陸して午後8時13分ごろに江原道平昌郡(カンウォンド・ピョンチャングン)付近の上空で訓練を開始して機関銃と12.ミリ実弾500発が搭載されたガンポッド(GunPod)2個、空の外装燃料タンク2個を落下させた。
幸い落下地点が山だったので民間被害は発生しなかった。ただし落下物の一部が見つからないため依然と捜索が続けられている。空軍関係者は「江原寧越郡酒泉面(ヨンウォルグン・チュチョンミョン)の山岳地帯で機関銃が搭載されたガンポッド2個を回収した」とし「しかし空の燃料タンク2個と実弾5余発はまだ捜索中」と述べた。
事故を起こした操縦士は870余時間の飛行経歴を持った教官資格所持者であることが明らかになった。今回の事故を巡り、軍内部でも納得しがたいという指摘はそのため出ている。実際に機械的欠陥による緊急投下事故は過去にあったが、操縦士の誤操作による緊急投下事故は今回が初めてであることが確認された。匿名を求めた軍関係者は「3月6日空軍KF-16民家誤爆事故に続いてあってはならないことが再び発生した」とし「軍の規律をもう一度引き締める契機にしなければならない」と話した。
空軍は誤爆事故後、李英秀(イ・ヨンス)参謀総長名義で謝罪文を出して「痛烈に反省して骨を削る覚悟で誤った慣行を正し、再びこのような事故がないようにしたい」と強調した。当時韓国空軍はすべての機種の飛行を制限して事故事例の教育と飛行前段階の弱点深層教育などに着手していた。だが、今回の事故で後続措置の実効性にも疑問の声があがっている。
今回も空軍は監視偵察戦力など必須の緊急待機戦力を除き、22日午前まで全体機種の飛行を中断した状態で教育などシステムの再点検を実施する。22日からは「安全飛行と信頼回復のための100日の約束」というプロジェクトも実施する。
飛行中断で支障をきたしている韓米共同空中訓練「フリーダムフラッグ」は22日午後に正常化する。17日に始まって来月2日まで2週間行われる該当の訓練は今回の事故の余波で飛行任務のうち約6%が中止になったと韓国空軍は説明した。
韓国空軍関係者は「今回の事故で再びご心配をおかけしてしまったことに対して非常に申し訳なく思っている」とし「実質的な再発防止対策を講じて実施していく」と話した。
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