◆時間を惜しんで立って食事を済ませる労働者

シェインビレッジは昼休みにも休む間なく稼働していた。大型商業ビルに入ったビル型工場ではミシン作業の音が窓の外まで聞こえていた。数人の労働者は窓側でたばこをくわえてぼうっと空を眺めていたが、数分もしないうちに作業場に戻った。

ある工場は同じ建物で構内食堂を運営しているが、一部の職員は食器を持って立ちながら食事を口の中に流し込んだ。そしてまた工場に戻って作業を始めた。完成製品の個数によって追加で手当を受ける賃金構造のためだ。１分１秒が惜しくて昼食時間も利用して働いているのだ。


ここの勤労者の多くは毎日１２時間以上勤務しているという。職員らは中国産輸入品に対する「少額免税」廃止をあたかも「解雇通知」のように考えていた。衣類工場で勤務する３０代の男性は「仕事がなくなれば他の仕事を探す考え」とし「職業を変えることができる職員より、工場の社長が『閉鎖することになるかもしれない』と強い不安を感じている」と伝えた。

◆「持ちこたえモード」に愛国消費の動きまで

最後まで対抗すると宣言した中国当局はひとまず「持ちこたえモード」だ。ブルームバーグ通信は「シェインが一部の生産施設を海外に移転しようとする計画に中国政府が反対し始めた」と報じた。そして中国企業を生かすための「国潮（愛国主義消費）」の風を吹き込んでいる。１４億人の人口を持つ内需市場に対する信頼だ。

オンライン上では有名インフルエンサーが次々と中国産製品購買を督励している。最近中国ソーシャルメディアには米国ブランド製品の原価を暴露して工場との直接取引を促す映像が人気を得ている。「海外有名ブランドも実際はすべて中国産」という内容で、ブランド名に高い価格を払うのではなく中国の業者から直接購入するべきという趣旨だ。

シェインビレッジで会った裁縫師も「中国のように価格性能比が良い商品を作るところはない」とし「中国企業は強いため急速に変化して生き残るはず」と語った。別の工場責任者は「カナダや南米など新しい市場を開拓して突破口を開く計画」と明らかにした。

広州＝イ・ドソン特派員


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