米国の100ドル紙幣と中国の100元紙幣。9日、米国が中国の報復関税を理由に合計104%の相互関税賦課を開始し、両国の関税戦争が正面衝突局面に入った。[写真 AFP=聯合ニュース]
これに先立ち、国務院新聞弁公室は9日『中米貿易関係の若干の問題に関する中国の立場』と題する2万8000文字の白書を出した。中国商務部関係者は「中国は意図的に黒字を追求したことはなく、中国の経常収支黒字は国内総生産(GDP)比2007年9.9%から2024年2.2%に落ちた」として米国の関税措置に反論した。また「中国の全体関税水準は2001年15.3%から9.8%に低くなり、先進国の平均税率9.4%に近接している」とし「WTOの各種補助金規律を厳格に順守し、WTOに補助金の実態を通知している」と主張した。
習近平主席は周辺国の外交を扱う最高レベルの会議を招集した。李強首相が司会をし、常務委員7人全員が出席する「中央周辺工作会議」で、習主席は「周辺国の運命共同体構築に集中し、周辺国業務の新たな局面を開くために努力しなければならない」と話した。習主席が直接「関税戦争」を取り仕切るという意志が読める。
中国は4日、追加関税以外の報復措置としてレアアース(希土類)輸出統制、軍需企業制裁、穀物・家禽肉企業の一部に対する輸出資格停止などを発表した。特に製錬工程、すなわち加工と精製レアアースも中国国有大企業に限ってのみ生産を許可することにし、レアアース原石だけでなく1、2次加工レアアースまで輸出統制対象に拡大した。米国がレアアース輸入はもちろん、製錬までも中国に依存している点を逆に利用して攻勢に出た。
同時に大豆(豆)・トウモロコシなど米国産農産品に対する追加関税、米国産家禽肉の全面禁輸も追加で議論されている。
米国の中国に対する追加関税が招いた急激な物価上昇も予想されている。NBCは中国は昨年米国に105億5000万ドル(約1兆5550億円)の玩具を輸出した。米国玩具協会は「米国産玩具総輸入品の約80%に達する規模」とし「玩具企業が小売商らと価格を再交渉中」と説明した。iPhoneも全体出荷量のうち90%が中国で生産されている。
米国の相互関税発効に日本もいち早く対応している。石破茂首相は8日、自身が本部長を務める関税交渉総合対策本部を組織した。日本は米通商代表部(USTR)のジェミソン・グリア代表がこの日上院公聴会で「(日本との交渉で)農産物市場へのアプローチを拡大・改善することができる」と答えたことに注目している。共同通信は「(米国が)米国産輸入品の受け入れを迫る可能性が高い」とし、コメをはじめとする農産物が両国関税交渉の焦点になるだろうと観測した。日本政界では高関税の余波に備えて国民に一律3万円以上の支援金を支給する方案も議論されている。
欧州連合(EU)は米国産液化天然ガス(LNG)の輸入拡大に意志を示した。前日、トランプ大統領がEUの相互無関税提案を拒否して「彼ら(EU)は我々からエネルギーをもっと購入すべき」という言葉に反応して交渉意志を表わした格好だ。
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