2日、バチカンで開かれた教皇ヨハネ・パウロ2世の帰天20周年記念ミサに出席したイタリアのメローニ首相 [AFP=聯合ニュース]
6日(現地時間)のロイター通信によると、欧州委員会は7日、米国の鉄鋼・アルミニウム25%関税に対応するための報復関税対象品目を決めて27加盟国に提示する。9日に行われる加盟国の表決で加盟国の55%(15カ国)以上が賛成し、全体賛成人員がEU総人口の65%を超えれば欧州委の原案通りに施行される。260億ユーロ(約4兆2000億円)規模の米国産製品に最高50%関税を課す内容が骨子だ。品目には米国産肉類と穀物、ワイン、木材、衣類、真空掃除機、チリ紙などが含まれる可能性があるとロイターは伝えた。
EUはトランプ関税に対して世界主要国のうち最も強く反発して報復を明らかにしたが、実際の施行はためらってきた。今回の鉄鋼・アルミニウム関連の報復関税措置は先月12日に発表されたが、欧州委は施行時点を2回延期した。
報復をためらってきたのは加盟国間の隔たりのためだ。ドイツとフランスは強硬対応を促しているが、イタリア・スペイン・アイルランド・ハンガリーなどは慎重な接近を主張している。特にイタリアはEU内「慎重対応陣営」のトップだ。イタリアのメローニ首相は米国の高率関税に反対しながらも、正面衝突を避けて交渉で解決しようと主張している。トランプ大統領が相互関税を発表すると、「間違った決定だが、別の関税で正面から対抗することが最善なのかは確信できない」と答えたのが代表的な例だ。
ここにはイタリアの高い対米貿易依存度が作用している。2022年基準で米国はイタリアの対外輸出量の約10.39%(約685億ドル、約10兆円)を占める第2の輸出国だ。メローニ首相とトランプ大統領の親しい関係も影響している。メローニ首相は1月のトランプ大統領就任式に出席した唯一の欧州首脳だ。
ドイツ・フランスとしては報復措置実行のためにイタリアの参加が必須だ。EUの人口(約4億5000万人)の約13%を占めるイタリアが反対し、その他の報復反対陣営がこれに従えば表決通過が容易でないからだ。英フィナンシャルタイムズ(FT)は「EUがドイツとフランスを中心にメローニ首相に対してトランプ関税に対抗する報復措置を支援するべきだと圧力を加えている」と伝えた。
今後イタリアが立場を変える可能性もある。トランプ大統領が相互関税強行意志を継続するほど「報復なしには米国の立場変化を引き出すことができない」というドイツ・フランスの主張をイタリアは無視しがたいという見方からだ。FTは「EU関係者らがイタリアに米国と欧州のうちどちらか一つを選択するべきだと圧迫している」と伝えた。
イタリアをはじめとする慎重派のEU加盟国の立場は、鉄鋼・アルミニウム関税より大きな打撃になると予想される米国の自動車・相互関税への対応にも影響を及ぼす見込みだ。米国は3日からすべての輸入産自動車に25%関税、5日からすべての国に10%基本関税を課した。9日からはEU産製品に20%の相互関税率が適用される。
EUは保有する最も強力な報復手段である「反経済的威圧措置(ACI)」の発動を検討している。ACIはEUとその加盟国に対して第3国が経済的威圧を加えると判断されればサービス、外国人直接投資、金融市場、公共調達、知識財産権の貿易関連の側面に制限を加えることができる措置だ。FTは「ACIはグーグル、アップル、メタなど米国ビッグテック企業の売上に打撃を与えかねない」と伝えた。
フランスはデジタル税まで主張している。ロンバール仏財務相は「(米ビッグテックの)特定活動に税金を課す選択肢もある」と述べた。しかしビッグテック企業の欧州本社が多数位置するアイルランドはデジタル税に強く反対している。
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