中国の国旗[Pixabay]
半面、中部地域の新興「完成車連合軍」が頭角を現している。安徽は自動車と電気自動車の生産台数がともに全国1位となり、BYDなど代表的な企業の投資効果が本格化した湖南と河南も全国10位圏に入った。これら地域はすべて電気自動車の生産比率が半分以上を占める。
◆安徽省、中国自動車生産1位に
1-2月の安徽省の自動車生産台数は44万4800台と、前年同期比21.3%増加した。これは全国生産台数の約10%にのぼる。特に電気自動車の生産は23万4300台と、前年比で132.1%増え、全国1位(12.89%)となった。両指標ともに広東を上回った。
安徽は海岸から遠いため伝統製造業が強い地域でなかったが、現在は奇瑞、蔚来、フォルクスワーゲン、BYD、江淮、長安、漢馬科技など完成車7社が密集し、2800余りの部品会社と年間150GWh規模のバッテリー生産能力を保有する。
実際、安徽の自動車産業は1960年代に始まったが、一時は生産台数の急減で衰退の危機を迎えた。2016年の自動車生産台数は139万台で全国8位だったが、奇瑞と江淮の販売不振で2019年には77万6200台まで減少し、浙江・江蘇・上海に追い越された。転換点は2020年だった。安徽省合肥市政府は経営が悪化した蔚来を誘致し、省・市・国有資本を総動員して約70億元(約1400億円)を投資した。当時、蔚来は全国18の地方政府と接触したが、唯一手を差し伸べたところが安徽だった。その後、蔚来は電気自動車市場の爆発的な成長でユニコーン企業に成長し、合肥市政府の蔚来投資収益率は一時5.5倍に達した。
その後、安徽省はフォルクスワーゲンとの合弁で電気自動車生態系を拡張し、戦略的外資誘致を通じて技術と生産能力を高めた。安徽は蔚来・フォルクスワーゲンなど企業間の協力がシナジーを起こし、産業生態系を形成した。ただ、生産量基準では安徽が広東を上回ったものの、技術力・ブランド・競争力の側面では依然として大きな差がある。
中国の自動車産業基地が中部に移動 自動車産業地形が動く(2)
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