先月31日(現地時間)、地震で崩壊になったミャンマー・チャウクセのブライト・キッズ幼稚園の瓦礫の上に持ち主を失ったカバンが残骸の上に土埃を被っている。ウィ・ムンヒ記者
先月31日午後(現地時間)、共同火葬場として使われるミャンマー・マンダレーのある寺院では押し寄せてくる遺体の処理に人々は奔走していた。3日前、一帯を激しく揺らしたマグニチュード(M)7.7の地震の余波だった。
死亡者の急増でこの寺院の火葬場はすでに限界に達した。火葬場では遺体の受付を中断し、路上に臨時火葬場を作って焼かなければならないほど状況は深刻だった。火葬場で会ったある住民は「昨日だけで数百体の遺体を火葬した」とし「朝から遺体が一度に入ってきていて大変だ」と心配した。横では遺影を持ったある女性が家族と見られる遺体の前にひざまずいて泣くようにして意味の分からない祈祷文を諳んじていた。
ミャンマーの仏教聖地の一つであるマンダレーには僧侶が多い。道路では今回の地震で犠牲になった僧侶の遺体を乗せた霊柩車と何度もすれ違った。全壊した僧侶の経典試験場建物では前日に続いて瓦礫の下敷きになった行方不明者を探す作業が続いていた。
◇瓦礫の間から「助けて」を手を伸ばした子ども
災害は無差別的だ。マンダレーの都心から南に1時間ほど離れた地区の幼稚園(2階建て)も地震を避けることができなかった。70人余りの園児がいたがどれくらい多くの犠牲者がいるのか、まだ把握さえできない状態だ。幼稚園があった場所には持ち主をなくしたカバンや弁当、おもちゃだけが土ぼこりをかぶったまま乱雑に散らばっていた。付近の住民の一人は「この辺りでここが一番被害が深刻だ。まだ遺体収拾もできていない」と話した。
現地人の間には悲報が引き続き伝えられた。埋没したある子どもが大人たちの救助を待って手を伸ばす写真が韓国海外同胞のインターネット掲示物に投稿された。これを見たヤンゴン在住の韓国人キム・ヒョンウォンさんは「とても目を開けて見ていられない」とし、ミネラルウォーターや抗生剤など緊急医薬品を車に積み込んで被害地域へ急いだという。キムさんは「韓国に二人の娘がいるが、親の気持ちは皆同じだ」とし「ここに住む韓国人と韓国語学校の学生たちが十匙一飯寄付したお金で物品を用意した」と話した。
現地大使館も緊急救護に乗り出した状況だ。在ミャンマー大使館のイ・ジンヒョン領事は「最も被害が深刻なマンダレー地域に領事を急派してラーメンやミネラルウォーターなど生活必需品を積極的に支援中」と明らかにした。
マンダレーの昼間の風景は前日夜遅く到着した時よりも重苦しいものに変わった。余震が続き、緊張と恐怖が繰り返された。
住民たちはこの日も40度に達する猛暑の中で地震収拾に忙しかった。だが、ミャンマー軍事政府の要請で出発したという国際救護隊の姿はどこにも見えなかった。ただし中国国営新華社は「自国の救助隊が被害地域で救助活動を始めた」とこの日、伝えた。
米国をはじめとする主要国が支援意思を明らかにしたが、近隣の空港が閉鎖された状態なのでアクセスが容易ではなさそうだった。陸路も至る所が地震で寸断されている状態だ。被災者のための救護品伝達もそれだけ難しかった。
◇72時間「ゴールデンタイム」はるかに過ぎた
問題はすでに災害救助の「ゴールデンタイム」と言われる72時間をはるかに過ぎたことだった。生き埋めになった行方不明者の生存確率が大幅に低下したという意味だ。
マンダレーの11階建てマンションの崩壊現場でも救助隊が55時間ぶりに35歳の妊婦を救助したが、結局出血過多で息を引き取った。救助が遅滞するほど、このような事例は増えざるを得ない。ここで行方不明になった家族を焦がれる気持ちで待ち続けているウィンミントさん(65)は「娘夫婦と6歳の孫がマンションから逃げ出すことができなかった」とし「他の国からも救助隊がたくさん来てほしい」と訴えた。
それでも住民たちは希望の糸を放さそうとはしていない。1人でも多く救助するために「素手」での死闘を続けている。救助活動を助けていたある住民は「自分の家族だと考えて埋没者などを探している」とし「何とかして助けるべきではないか」と反問した。
世界保健機関(WHO)が「最高等級(3級)の緊急事態」と宣言するほど被害地のあらゆる状況は劣悪だ。住民たちは雨風をまともにしのげるような避難所もなく、蚊帳を張ったゴザ型テントなどで過ごしている。前日夜に通ったマンダレー王宮周辺の道路は車両とテントが隙間なく駐車・設置されてキャンプ場を彷彿とさせた。
インターネットはもちろん電話さえ通じなかった。最も大きな困難は停電だった。太陽が沈めば人口120万人の大都市が闇に閉じ込められたように真っ暗だった。現地の韓国人は「倒壊した建物に電気を供給すれば火災が起きる恐れがあり、政府が停電措置を取ったようだ」と話した。電気がなくて井戸水(生活用水)を汲み上げるためにバイクのモーターを使うという笑えない事例が広く知られるほどだった。
WHOも声明を通じて「電気と飲水の供給が中断されて疾病発病のリスクがさらに高まっている」として30日間緊急医療支援のための800万ドル(約12億円)の資金支援を国際社会に訴えた。震央のサガイン地域は状況がさらに深刻だ。政府軍と反乱軍が交戦しているところなので安全問題で救助隊が近づきにくいためだ。マンダレーとサガインの間のイラワジ川を横切るアバ大橋が橋脚だけを残したまま崩落して状況をさらに悪化させているという声も聞こえる。
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