サムスンSDIが作った「46パイ」バッテリー。[写真 サムスンSDI]
サムスンSDIは最近ベトナム法人で4695(直径46ミリメートル、高さ95ミリメートル)バッテリーモジュール出荷式を行った。4695バッテリーセルは天安(チョナン)事業所で作った。セルをベトナム法人でモジュールに組み立てた後、米国顧客に小型モビリティ用として供給する。
量産に成功した46パイバッテリーは高容量ハイニッケルNCA(ニッケル、コバルト、アルミニウム)正極材とサムスンSDIの独自特許素材であるシリコンカーボンナノコンポジット(SCN)負極材を使った。電極端部に複数のタブを設けて電流の経路を拡張するタブレス技術を使い内部抵抗を90%ほど低くした。サムスンSDI関係者は「バッテリーが膨らむ現象を減らすと同時にエネルギー密度を高め、寿命を延ばし、安全性も確保した」と説明した。
46パイバッテリーは韓国の二次電池3社が未来の収益源として期待する成長動力のひとつだ。既存の円筒形バッテリー規格である2170(直径21ミリメートル、高さ70ミリメートル)と比べエネルギー容量が6倍ほど大きい。さらに少ないバッテリーでアプリケーションが要求するエネルギー容量に対応できる。全固体電池とともにバッテリーのゲーム チェンジャーに挙げられる。
市場調査機関SNEリサーチによると、世界の46パイバッテリーの市場規模は今年155ギガワット時から2030年には650ギガワット時に増える見込みだ。年平均33%ずつ成長する格好だ。CATLなど中国の二次電池メーカーは値段が安いLFP(リチウム・燐酸・鉄)バッテリーを武器に世界市場を攻略している。サムスンSDI関係者は「現在は価格競争力がある中国製バッテリーが人気を呼ぶが、安全性とデザイン、性能を重視する時代がくれば46パイバッテリーのようなプレミアム製品が注目されるだろう」と話している。
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