◆中間線を越えていないとしても…
特に今回の西海上の構造物設置過程で中国の緻密な接近が目を引く。構造物は中国でなく韓国が主張する暫定措置水域の「中間線」より西側、すなわち中国側に近いところに設置された。そして「中国の近海」であるため正当だと主張する姿だ。
ある政府筋は「今のところ構造物2基が中間線の西側にあるが、中間線を越えて東に移動すれば我々も軍艦を送らなければいけない状況になりかねない」とし「中国側はレッドラインを越えずに反応を観察しようという意図があるようだ」と指摘した。
外見上漁業目的を前面に出したのも法的論争を希釈する名分を築くためと考えられる。中国はその間、国営メディアを通じてこの構造物、いわゆる深藍1・2号を通した「サケ漁獲量」を浮き彫りにしてきた。そして「漁業のために我々の近海の海洋資源を合理的に活用するだけ」(在韓中国大使館の報道官、26日)と強弁している。中国が人工島や資源ボーリング装置のように比較的固定された施設でなく浮遊式の構造物を選択したのも領土挑発という批判を避けるための戦略的選択とみられる。
また中国が最大12基まで構造物を増やすという見方がある中、在韓中国大使館は追加設置計画に関する中央日報の26日の質問に「答えない」と話した。漁業用という名分の下、似た構造物を引き続き設置する可能性を事実上開いておくものとみられる。構造物が追加される場合、「韓中暫定措置水域で我々の漁船の操業は不可能になる」(金斗泳元国際海洋法裁判所事務局長)という懸念の声が出る理由だ。
◆政治・外交的「精巧な対応」がカギ
西海構造物に対する現場点検さえも中国側が拒否する中、韓国政府は巨大な構造物をただ眺めることもできず、撤去に動くのも難しいというジレンマに陥った。海洋水産部は最近、「中国の構造物とは距離があるところに我々もブイを設置した」と明らかにしたが、実質的な解決策にはならない。
政府はまず領有権とは関係がない構造物という点を直接確認するために中国側に調査に応じるよう繰り返し要請する一方、法的対応の可能性も検討中だ。国連海洋法条約にはEEZ外の構造物設置を問題にするほどの明示的な規定がないというのが政府の1次判断だが、構造物が「東進」する場合には状況が変わる。
一方では、西海構造物に対応する過程で2003年から韓国が暫定措置水域に設置・運営する「離於島(イオド)海洋科学基地」に中国が改めて反発してくる可能性も排除できない。離於島海洋科学基地は23年間、気象や海洋観測など純粋な科学的目的で運営されてきた。
政治・外交的に精巧な戦略が要求されるが、リーダーシップが空白状況であるうえ、反中感情が強い最近の雰囲気も事態の解決を難しくする要因に挙げられる。領土イシューの爆発力までが重なり「同じ構造物を我々も設置しよう」という極端な対応の要求も出てくる中、これを「反中」など国内政治的に利用しようという試みはむしろ中国の戦略に巻き込まれるという懸念もある。
亜洲大のイ・ワンフィ政治外交学科教授は「中国が領有権を念頭に置いて構造物を設置している可能性がかなり高いが、これを国内政治化したり交渉の期待値を我々が自ら高めておくことは警戒しなければいけない」と指摘した。
南シナ海も同じ戦略で…中国、今度は韓国に「西海構造物」(1)
特に今回の西海上の構造物設置過程で中国の緻密な接近が目を引く。構造物は中国でなく韓国が主張する暫定措置水域の「中間線」より西側、すなわち中国側に近いところに設置された。そして「中国の近海」であるため正当だと主張する姿だ。
ある政府筋は「今のところ構造物2基が中間線の西側にあるが、中間線を越えて東に移動すれば我々も軍艦を送らなければいけない状況になりかねない」とし「中国側はレッドラインを越えずに反応を観察しようという意図があるようだ」と指摘した。
外見上漁業目的を前面に出したのも法的論争を希釈する名分を築くためと考えられる。中国はその間、国営メディアを通じてこの構造物、いわゆる深藍1・2号を通した「サケ漁獲量」を浮き彫りにしてきた。そして「漁業のために我々の近海の海洋資源を合理的に活用するだけ」(在韓中国大使館の報道官、26日)と強弁している。中国が人工島や資源ボーリング装置のように比較的固定された施設でなく浮遊式の構造物を選択したのも領土挑発という批判を避けるための戦略的選択とみられる。
また中国が最大12基まで構造物を増やすという見方がある中、在韓中国大使館は追加設置計画に関する中央日報の26日の質問に「答えない」と話した。漁業用という名分の下、似た構造物を引き続き設置する可能性を事実上開いておくものとみられる。構造物が追加される場合、「韓中暫定措置水域で我々の漁船の操業は不可能になる」(金斗泳元国際海洋法裁判所事務局長)という懸念の声が出る理由だ。
◆政治・外交的「精巧な対応」がカギ
西海構造物に対する現場点検さえも中国側が拒否する中、韓国政府は巨大な構造物をただ眺めることもできず、撤去に動くのも難しいというジレンマに陥った。海洋水産部は最近、「中国の構造物とは距離があるところに我々もブイを設置した」と明らかにしたが、実質的な解決策にはならない。
政府はまず領有権とは関係がない構造物という点を直接確認するために中国側に調査に応じるよう繰り返し要請する一方、法的対応の可能性も検討中だ。国連海洋法条約にはEEZ外の構造物設置を問題にするほどの明示的な規定がないというのが政府の1次判断だが、構造物が「東進」する場合には状況が変わる。
一方では、西海構造物に対応する過程で2003年から韓国が暫定措置水域に設置・運営する「離於島(イオド)海洋科学基地」に中国が改めて反発してくる可能性も排除できない。離於島海洋科学基地は23年間、気象や海洋観測など純粋な科学的目的で運営されてきた。
政治・外交的に精巧な戦略が要求されるが、リーダーシップが空白状況であるうえ、反中感情が強い最近の雰囲気も事態の解決を難しくする要因に挙げられる。領土イシューの爆発力までが重なり「同じ構造物を我々も設置しよう」という極端な対応の要求も出てくる中、これを「反中」など国内政治的に利用しようという試みはむしろ中国の戦略に巻き込まれるという懸念もある。
亜洲大のイ・ワンフィ政治外交学科教授は「中国が領有権を念頭に置いて構造物を設置している可能性がかなり高いが、これを国内政治化したり交渉の期待値を我々が自ら高めておくことは警戒しなければいけない」と指摘した。
南シナ海も同じ戦略で…中国、今度は韓国に「西海構造物」(1)
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