26日、ソウル瑞草区(ソチョグ)ソウル高裁で開かれた公職選挙法違反容疑控訴審宣告公判で無罪を言い渡された後、裁判所から出てくる李在明(イ・ジェミョン)共に民主党代表 [写真 共同取材団]
大法院(最高裁)の判断が残っているが、今回の控訴審判決は李代表の大統領選挙街道に事実上翼を与えたという評価だ。特に減刑でなく無罪という点で「検察の無理な起訴」という李代表側の主張も後押しされることになった。李代表はこの日、「検察も自分たちの行為を振り返り、これ以上このような力の浪費をするべきでない。事必帰正(すべては必ず正しい道理に帰する)ではないか」と述べた。
李代表はすぐにも早期大統領選挙を念頭に置いた民生関連の活動に入るとみられる。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の釈放と憲法裁判所の弾劾宣告遅延でしばらく外部活動を自制していた李代表はこの日、裁判所を出るとすぐに慶尚北道安東(アンドン)の山火事鎮火現場に向かった。「検察と政権が李在明を阻止するために証拠をねつ造するのに使った力を山火事予防や国民の生活改善に使っていればどれほど良い世の中になるだろうか。今この瞬間にもどこかで山火事が広がり、誰かが死亡していて、経済は崩れている」と強調した直後だ。安東は李代表の先祖の墓がある故郷でもある。民主党は李代表の安東体育館の罹災者を訪問した直後、「明日は山火事被害対策に集中するために本会議を開かず、徒歩行進もしない」と議員らに公示した。
◆野党、434億ウォン大統領選挙補助金返還の負担軽減
民主党は歓呼した。前回の大統領選挙期間に使った政治資金(434億ウォン、約44億円)を返還しなければならないという懸念もかなり解消された。趙承来(チョ・スンレ)首席報道官は「李代表を束縛していた嘘の罠がついに切れた」とし「検察の政治報復捜査に警鐘を鳴らした裁判所に感謝する」と述べた。親李在明派からは「これからは罷免だ。国民が勝つ」(金民錫最高委員)、「法と原則の正義実現」(崔敏姫議員)などのメッセージが続いた。悲李在明派も「党員として大きな心配が消えた」(金富謙元首相)、「最初から野党代表を狙った政治報復性捜査であり無理な起訴」(金慶洙元慶南知事)、「検察の過度な起訴を今からでも正せたのは幸い」(金東兗京畿道知事)など歓迎の立場を表した。
半面、李代表の有罪に自信を見せていた与党「国民の力」側は失望感を見せた。権寧世(クォン・ヨンセ)非常対策委員長は宣告直後、国会で取材陣に対し「遺憾だ。控訴審の論理は理解しがたい」と話した。権性東(クォン・ソンドン)院内代表も「李代表が(2021年の国会国土交通委員会国政監査で)国土交通部圧力のためにやむを得ずペクヒョン洞敷地を用途変更したといったのは明白な虚偽事実だが、どのように無罪になったか」とし「2審判決は受け入れることができず、大法院で破棄差し戻しになるはず」と述べた。
◆与党大統領候補ら、李在明代表を批判…竜山は無反応
潜在的な与党の大統領候補らも加勢した。呉世勲(オ・セフン)ソウル市長はフェイスブックに「大統領選挙の候補が選挙で重大な嘘をついたのに罪でなければその社会は正しく成り立たない」と投稿し、韓東勲(ハン・ドンフン)前国民の力代表は「政治家に与えるの嘘免許証だ」と主張した。洪準杓(ホン・ジュンピョ)大邱(テグ)市長は「政治家の進退は判事でなく選挙で決めるべきという言葉が思い浮かぶ判決だ」と話した。竜山(ヨンサン)の大統領室は公式反応を出さなかった。
ただ、李代表の大統領選挙街道の変数は依然として残っている。尹大統領弾劾審判に関する憲法裁の判断だ。民主党は憲法裁が尹大統領の弾劾案を認容して早期大統領選挙を確定すると期待するが、弾劾案が却下または棄却される可能性も排除できない。憲法裁裁判官8人のうち3人以上が棄却または却下決定を下せば弾劾案は認容されない。特に25日、韓悳洙(ハン・ドクス)大統領権限代行首相弾劾案に対する憲法裁の判断が棄却5人、却下2人、認容1人に分かれ、「憲法裁裁判官の異見が確認された」という評価が少なくない。当初は3月中旬と予想された宣告期日が26日まで確定しない点も「裁判官衝突説」につながっている。尹大統領が職務に復帰する場合、早期大統領選挙はなくなり、李代表は次期大統領選挙が行われるまでまた別の司法リスクと戦わなければならない。昨年11月の1審で無罪を宣告された偽証教唆事件の場合、控訴審裁判がすでに始まっている。
エスティーアイのイ・ジュンホ代表は「今の憲法裁の状況が予測不可能であり、まだ選挙法控訴審の宣告を喜べないはず。民主党は今回の控訴審の結果も憲法裁に圧力を加える根拠に使うだろう」と予想した。民主党はこの日の論評で「憲法裁に迅速な宣告期日指定を求める。国民が内乱首魁の罷免を待っている」と強調した。
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