現代自動車グループの鄭義宣会長が、トランプ米大統領が見守る中ホワイトハウスで対米投資計画を発表している。[写真 ホワイトハウス]
現地事情に通じた消息筋によると、ホワイトハウスは現代自動車グループに最近「ホワイトハウスで鄭会長が直接投資計画を明らかにしてほしい」と要請した。現代自動車は26日に開かれるジョージア州の新工場「メタプラントアメリカ(HMGMA)」の竣工式にトランプ大統領あるいはバンス副大統領の出席を目標にホワイトハウスと数カ月間にわたり接触していた。だが出席の可否は明らかにせず突然ホワイトハウスでの発表を要請したという。気をもんできた現代自動車グループとしては第2次トランプ政権体制で韓国企業のうち初めてホワイトハウスで投資計画を明らかにすることになった点に「驚いた」という雰囲気だ。
鄭会長とトランプ大統領は発表前後に別途のティータイムを持ってはいない。だが2人が発表に出た6分ほどの生中継を通じて交渉スタイルをうかがうことができる。まず鄭会長は謙遜と親密さを前に出した。交渉で比較的弱者が選択する方式だ。ルーズベルトルームに並んでいた鄭会長はトランプ大統領が登場すると礼儀正しくあいさつし、その後3分40秒の発表中トランプ大統領を称賛したのが代表的だ。
鄭会長はこの日の会見でも2019年6月にトランプ大統領が訪韓した当時と2020年のスイスのダボス会議での出会いを強調しながらHMGMAの成果をトランプ大統領のおかげだとした。鄭会長はホワイトハウスでの会見で濃い水色のネクタイを着用したが2019年の首席副会長時代にトランプ大統領とソウルで会談した時に着用したネクタイでもある。
トランプ大統領は自身のホームグラウンドであるホワイトハウスに世界的企業のオーナーを呼んで兆単位の投資計画を発表させている。こうした形は1月の孫正義ソフトバンク会長、先月の魏哲家TSMC会長に続き鄭会長が3回目だ。トランプ大統領は懐柔と圧迫を同時に駆使した。鄭会長の発表に先立ち「きょうは本当に美しい発表がある」として現代自動車グループを称賛したが、質疑応答の過程で「(自動車関税が施行される)4月2日はわれわれが奪われたお金を再び取り戻す『解放の日』になるだろう」としながら世界的自動車企業を圧迫した。
韓国貿易協会国際貿易通商研究院のチャン・サンシク院長は「トランプ大統領が関税を武器に各企業に対米投資を積極的に圧迫した後、投資が発表されればまるで恩恵を施すかのように見せるやり方を活用している。こうした手段を積極的に使うだろう」と予想する。
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