慶尚南道山清郡矢川面で始まった山火事が22日夜に山清郡丹城面と河東郡玉宗面の警戒地点まで広がっている。ソン・ボングン記者
今回の山火事は21日、慶尚南道山清郡(サンチョングン)、22日には慶尚北道義城郡(ウィソングン)と蔚山市蔚州郡(ウルサンシ・ウルチュグン)、慶尚南道金海(キムへ)などで発生し、サッカー場1万885個を越える広さの山林を燃やした。政府は山清・義城・蔚州などに山火事対応3段階を発令したが、山清郡は発生から3日目でも鎮火率が71%で、義城郡は2日目の鎮火率が60%に留まった。崔相穆(チェ・サンモク)大統領権限代行は、山清郡を特別災難地域に宣布した。大型山火事としては歴代6番目の規模だ。2005年の植樹の日に発生した襄陽(ヤンヤン)山火事の時、修学旅行の名所だった洛山寺(ナクサンサ)が全焼して衝撃を与えたのが20年前だが、今回は義城郡にある新羅(シルラ)時代の寺院、雲嵐寺(ウンラムサ)の建物7軒のうち6軒が焼失したという。
春の山火事はこれほど恐ろしいが、毎年なすすべなく被害を被るばかりだ。強い風が火種をまき散らして鎮火が難しく、乾いた落ち葉が燃料の役割をする環境が威力を高めるためだ。今回の山火事も秒速15メートルの風で広がった。目撃者たちは、火種が鬼火のように飛び回ったと証言した。山林庁によると、年平均546件の山火事のうち、春(3~5月)に303件(56%)が発生している。南高北低の気圧計と陸地と海の気温差が風をさらに強くし、乾燥注意報などが最悪の条件を作る。風が弱すぎると煙が抜け出せず、ヘリコプターの投入が遅れる問題まで生じるという。このように春の山火事は多様な変数を考慮した体系的な戦略があってこそ鎮火が可能な災害だ。
毎年繰り返される春の山火事に、私たちが十分な予防法と対策を講じているのか、改めて点検する必要がある。山火事の最大の原因が入山者の失火(31%)で、今回の山火事も墓地の整理や農機具小屋の製作過程で火花が散って発生した失火と推定される。春の入山時の失火に対する警戒心を高める必要がある。
自治体が期間制で選んで運営する鎮火隊員が消防専門の人材ではなく、地域の高齢者で構成されているという点も振り返らなければならない。彼らは散水機能を備えた改造トラックや背負い式ポンプ、防火線構築用フックなどを使用する。大型山火事対応の責任を小型山火事要員の隊員たちに負わせているのではないか、点検しなければならない。「可能な手段を総動員する」という政府当局の漠然とした言葉だけでは春の山火事の恐怖に立ち向かうことはできない。
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