中国の五星紅旗と米国の星条旗 [中央フォト]
これと関連し、ウォール・ストリート・ジャーナルは「ONAはよく知られていないが、冷戦時代に米国の勝利を助けた。(トランプ政権は中国と)未来戦争でどのように勝つのかに対する構想もなく組織を廃止した」と指摘した。
1月には米国土安全保障省のサイバーセキュリティ関連組織であえるサイバーセキュリティ点検委員会(CSRB)が廃止された。CSRBはバイデン政権当時の2022年に設置された組織だ。政府・企業・重要インフラに影響を及ぼすサイバー非常事態が発生する場合に原因を調査する役割を担当する。
問題はCSRBがトランプ大統領を含む米国の政治家と関係者の携帯電話をハッキングしようとしていた中国のハッキング組織を調査していた点だ。CSRBは中国政府と関連したハッキング団体である「ソルトタイフーン」が米国の通信大企業に浸透した事件を調査しており、関連証言を聴取し始めた状況だったと同紙は伝えた。
ソルトタイフーンは昨年数カ月間にわたりベライゾンやAT&Tなど米国の通信会社と、ルーメンテクノロジーなど通信ネットワーク会社のシステムを利用して米政界関係者の通話内容を録音したとされる。彼らのターゲットはトランプ大統領陣営の高官、バイデン政権の高官、シューマー民主党上院院内代表(当時)の補佐陣らだったと確認された。
同紙は「もう委員会は解体された。米通信会社が1年以上中国国家安全部(の浸透)に無防備だった理由を調べることをだれが引き受けたのかわからなくなった」と伝えた。
トランプ大統領がバイデン政権時代に始まったCHIPS法を批判するのも議論を呼んでいる。この法律に基づき米国は先端半導体生産、バッテリー、量子コンピュータなど主要技術開発を奨励するために補助金を支給するが、中国はすでにこれら技術分野の自国企業に補助金を与えているためだ。
これと関連して、豪シドニー大学米国研究センターのマイケル・グリーン最高経営責任者は同紙に「中国との競争を強化すると話しながら米国の国力に役立つ手段を縮小するのは矛盾」と話した。
米中央情報局(CIA)で25年間働いた経験を持つハーバード大学ケネディ行政大学院ベルファー科学国際問題センターのポール・コルベ上級研究員は同紙に「中国が休まずにサイバー攻撃を加え、米太平洋艦隊をはねのける海軍を建設し、戦狼外交官を派遣する間に、米国は自らを押し倒している。米国の衰退が加速化している」と懸念する。
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