米国財務省が、北朝鮮ハッカーが仮想通貨のマネーロンダリングに利用した企業に対する制裁を解除した。

財務省は２１日（現地時間）、トルネード・キャッシュに対する経済制裁を解除することを決定したと明らかにした。

トルネード・キャッシュは仮想通貨を司法当局が追跡できないようにマネーロンダリングするために必要なミキシングサービスを、北朝鮮偵察総局に関連したハッカー組織「ラザルス（Ｌａｚａｒｕｓ）グループ」など犯罪集団に提供した容疑で制裁を受けた。しかし、トルネード・キャッシュ使用者は米国裁判所に制裁が不当として訴訟を起こし、裁判所は昨年１１月トルネード・キャッシュに対する制裁を撤回するよう判決を下した。


財務省は「進化する技術および法的環境で起きる金融および商業活動に対する金融制裁の使用が提起する新たな法的および政策的問題に対する政府の評価」を根拠に制裁解除の決定を下したと明らかにした。あわせて今回の制裁解除が北朝鮮の仮想通貨奪取など悪意のサイバー活動に対して米国政府の制裁意志が弱まったことを意味するわけではないと強調した。

財務省は「我々は北朝鮮と金正恩（キム・ジョンウン）政権が暗号資産の奪取、確保、利用を目的とする大規模国家を後援とするハッキングとマネーロンダリングキャンペーンに対して依然と深い懸念を持っている」と明らかにした。続いて「財務省は悪意のサイバー行為者などが暗号資産および暗号資産エコシステムの乱用を通じて自分たちの犯罪活動から利益を得る能力を暴露して妨害するために、我々の権限を活用することに引き続き専念している」と付け加えた。

財務省はまた「我々は北朝鮮政権の大量破壊兵器と弾道ミサイルプログラムに必要な資金調達能力を制限するために制裁を履行することにも専念している」と明らかにした。