米国の国旗
フーシ派のヤヒヤ・サリー報道官はこの日の声明で「米海軍の空母『ハリー・S・トルーマン』を狙って軍事作戦を遂行した」とし「弾道ミサイルおよび巡航ミサイル18発とドローンを発射した」と明らかにした。そして米軍がイエメンに170回以上空襲したことに対する反撃と述べた。フーシ派の指導者アブドルマリク・フーシ氏もテレビ演説で「米国のイエメン空襲が続く限り、フーシ派が紅海で米国の船舶を引き続き攻撃する」と明らかにした。
これに関連し、米当局者は米F-16とF-18戦闘機がフーシ派のドローン11機を撃墜したと明らかにした。ロイター通信によると、この当局者はフーシ派のドローンが米空母に接近できなかったと説明した。またフーシ派が発射したミサイルを追跡した結果、ミサイルが飛行中に誤作動して海に墜落したと伝えた。
これに先立ち米軍は15日、トランプ大統領の命令に基づき、フーシ派の基地を狙って大々的な空襲を断行した。米軍のフーシ派空襲はトランプ政権2期目に入って初めて。フーシ派保健省は16日の声明で、米軍の空襲で子ども5人を含む53人が死亡し、98人が負傷したと主張した。
フーシ派は2023年10月のガザ地区戦争勃発以降、パレスチナ武装組織ハマスを支援するという名分で紅海を通過するイスラエルと米国・英国など西側船舶を攻撃した。開戦以降1月まで100隻以上の商船を攻撃し、2隻が沈没、船員4人が死亡した。
◆米当局「イラン直接攻撃オプションをテーブルに」
トランプ政権はフーシ派が攻撃を続ける限り正面から対応すると明らかにした。ルビオ米国務長官はこの日、CBS放送のインタビューでフーシ派が紅海で西側の船舶を攻撃する能力を喪失するまで大々的な空襲を続けると述べた。ルビオ長官はフーシ派を「海賊」と規定し、「これまでフーシ派が米海軍軍艦を174回、グローバル商船を145回攻撃した」と伝えた。
ウォルツ米大統領補佐官もABC放送のインタビューで「我々は昨夜フーシ派指導部を打撃し、核心指導者の多数を除去した」と伝えた。そして「フーシ派に資金を支援して武器を提供したイランに警告を送った」と強調した。
米国がイランをターゲットに直接的な軍事行動をするのかという質問に、ウォルツ補佐官は「大統領にはすべての選択肢がテーブルに置かれている」と答えた。また「イランは彼(トランプ大統領)の話をはっきりと聞くべき」とし「(フーシ派支援は)容認できず、中断されるべきだ」と話した。続いて「イランが核兵器を保有できないよう、あらゆるオプションを考慮している」とし「我々はイラン最高指導者ハメネイ師が核ボタンを手にする世の中を迎えることはできない」と明らかにした。
ヘグセス米国防長官もこの日、FOXニュースのインタビューで「フーシ派が米国資産とグローバル海運を狙った軍事行動を中断すると言うまで容赦なく攻撃する」と述べた。ヘグセス長官はフーシ派を支援してきたイランに向けても、さらなる支援を中断するのがよいと警告した。
一方、イラン側はフーシ派の今回の攻撃に加担していないと一線を画した。AP通信によると、イラン革命防衛隊のホセイン・サラミ司令官は「フーシ派は中東地域全体に同盟があり、フーシ派の軍事作戦とイランは関係がない」と主張した。
イランのアラグチ外相もX(旧ツイッター)に「米国は直ちに空襲をやめるべきだ」とし「米国政府がイランの外交政策にあれこれと話すのもやめるべき」と投稿した。
ウォールストリートジャーナル(WSJ)は「トランプ大統領は数年間にわたり強力な敵に対抗して生き残ってきたライバル(フーシ派)との対決に乗り出した」と伝えた。続いて「現在のところ、米国の攻撃にフーシ派が屈服するのか、それとも中東紛争が拡大する結果が伴うのか見守らなければいけない」と分析した。
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