先月米国の自宅で妻とともに遺体で発見されたハリウッド俳優ジーン・ハックマンさんの遺言状に子女の名前が入っていないことが分かった。

ハックマンさんはすべての財産を今回亡くなった妻に残したが、その妻がハックマンさんよりも先に死亡していたことが確認されて遺産相続に関心が集まっている。


ＢＢＣは１５日（現地時間）、ハックマンさんの遺言が公開されたが、８０００万ドル（約１１９億円）の遺産に対して不確実性が残っていると報じた。


報道によると、９５歳で亡くなったハックマンさんは自身の財産を３０年間一緒に暮らした妻のベッツィ・アラカワさん（６５）に残した。ＢＢＣが入手した文書によると、１９９５年アラカワさんを唯一の受恵者に指定した。この遺言状の最後の更新は２００５年だった。

法律専門家は、警察がアラカワさんが夫のハックマンさんよりも１週間ぐらい先に死亡したことを明らかにしたことで、ハックマンさんの子女が遺言状に書かれなくても相続を受ける可能性があると話した。

ハックマンさんはすでに故人となった前妻フェイ・マルティースさんとの間に、現在５０代後半から６０代の３人の子女がいる。カリフォルニア弁護士Ｔｒｅ　Ｌｏｖｅｌｌ氏はＢＢＣとのインタビューで「他の受恵者がいないという前提で、この財産が子女に自動で渡る可能性がある」と話した。

アラカワさんがハックマンさんよりも先に亡くなったため、アラカワさんがハックマンさんの遺言状に伴う適法な相続人になることができない点を証明すればいいということだ。Ｌｏｖｅｌｌ氏は「無順位相続法により、子女は法的に相続を受ける次の順序になりえる」と説明した。

捜査当局によると、アラカワさんは２月１１日希少ウイルスに感染した後に死亡し、ハックマンさんはこれより数日後の１７日ごろに死亡した。

夫婦は２月２６日隣人によって、自宅内にそれぞれ違う位置で見つかった。アラカワさんは周辺に薬物が散らばっている浴室で、ハックマンさんは自宅の出入り口付近で運動服にスリッパという姿で倒れており、周辺にサングラスとツエも置かれていた。

ハックマンさんは普段患っていた心臓病が悪化して亡くなり、かなり深刻なアルツハイマーを抱えていてこのことが影響を及ぼしたのではないかと推定された。当初捜査当局は現場の状況が不審だと判断したが、調査の結果、犯罪と疑われる点がないと結論づけた。

ハックマンさんは１９６０年代から２０００年代初めまで４０余年間ハリウッドで活動し、アクションやスリラー、歴史物、コメディなど幅広いジャンルの８０余本の映画に出演した名優だ。

特に『スーパーマン』シリーズをはじめとして『ミシシッピー・バーニング』『カンバセーション…盗聴…』『エネミー・オブ・アメリカ』『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』などで人気を呼んだ。『フレンチ・コネクション』（１９７１）でアカデミー賞主演男優賞を、『許されざる者』（１９９２）でアカデミー賞助演男優賞を受けた。