米国のトランプ大統領とロシアのプーチン大統領がウクライナ戦争の「３０日間休戦案」について直接対話して調整するとみられる。

１４日（現地時間）のタス通信によると、ロシア大統領府のペスコフ報道官は「プーチン大統領が米国のウィトコフ中東特使と面会した」とし「ウィトコフ特使を通じて（休戦関連の）追加情報が伝達され、トランプ大統領に伝えるメッセージも送った」と明らかにした。ペスコフ報道官は「双方は（両首脳間の）対話が必要と理解している」とし「両大統領間の対話の時期にはまだ合意していない。ウィトコフ特使がプーチン大統領のメッセージをトランプ大統領に伝えた後に決定するだろう」と述べた。続いて「ウクライナ問題の解決に『慎重な楽観論』を持つ理由がある。プーチン大統領がトランプ大統領に対して連帯を表した」と強調した。

プーチン大統領は前日、米国とウクライナが合意した休戦案をめぐり「原則的に支持するが（米国と）追加で議論するべき問題がある」という立場を表した。休戦案がロシア南部のクルスク州で苦戦するウクライナに非常に有利という理由からだ。


プーチン大統領は１３日、ロシア大統領府でベラルーシのルカシェンコ大統領と首脳会談を行った後、「ロシアとウクライナの紛争に関心を持つトランプ大統領に感謝する」とし「休戦自体は絶対的に正しく、支持する」と述べた。その一方で「追加で議論するべき深刻な問題がある」とし「トランプ大統領と電話で議論することになるかもしれない」と話した。

プーチン大統領が駆け引きをするのは、ウクライナが昨年８月に侵攻して一部を占領している自国領土クルスクのためだ。ロシアは１２日、クルスクの最大都市スジャを奪還するなど相当部分の領土を取り戻した状態だ。こうした状況で休戦になればウクライナが兵力と武器を補強し、また戦闘をする可能性があるというのが、プーチン大統領の考えだ。プーチン大統領の発言は少なくともクルスク全体を取り戻した後に休戦に入るという意味だ。今後の終戦協議でウクライナがクルスクを交渉カードとして活用するのを遮断しようとする。トランプ大統領が１１日、ウクライナと休戦案に合意してロシア側にこれを伝えたが、翌日、プーチン大統領が軍服姿でクルスクに現れながら「完全奪還」を促したのもこうした理由からだ。トランプ大統領はプーチン大統領の発言に対し「希望的だが完全ではない」とし「プーチン大統領と電話をする意思がある。ロシアは正しいことをするべき」と述べた。

一方、米財務省は対ロシア圧力措置として、ロシア連邦中央銀行、国営銀行のＢＴＢなどロシアの銀行に対する一時的なエネルギー取引許容措置を１２日に終了した。