尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領釈放二日目の９日、ソウル竜山区漢南大路（ハンナムデロ）官邸付近では支持者が喜びをにじませた大きな声で「大統領様、歓迎します」と叫んでいた。この日正午基準でソウル漢南小学校付近から北漢南交差点まで警察推算（非公式）合計４５００人の人々が集まった。彼らはチョン・グァンフン牧師が率いる「サラン（愛）第一教会」が開催した「１２０万大統領官邸前日曜礼拝」に出席して「弾劾反対」を連呼した。

官邸前の６本の車道のうち４本を埋めた尹大統領支持者は繰り返し太極旗と星条旗を振って歓呼した。彼らはサラン第一教会側が設置した大型スクリーンに尹大統領の姿が入った映像が登場すると両手を上にあげながら万歳を叫んだ。集会に出席したキム・ヨンジンさん（３３）は「愛国市民が皆同じような気持ちで苦労した末に大統領が解放されるなんて心がジーンとする」と言って涙を浮かべた。

チョン牧師はこの日舞台で憲法裁判所を威嚇するような発言を繰り返した。チョン牧師は「尹大統領が出てきたので憲法裁判所は裁くかどうかを終えた」としながら「もし憲法裁判所がおかしなことをすれば国民抵抗権を発動して一刀で吹き飛ばす」と主張した。官邸前の歩道壁面には文炯培（ムン・ヒョンべ）・李美善（イ・ミソン）ら憲法裁判官の顔に赤色「×」印がつけられた写真が張り出されていた。


反面、ソウル光化門（クァンファムン）付近では尹大統領弾劾に賛成する市民団体が集まって「退陣総力戦」を予告した。

進歩志向の市民団体が集まった「尹錫悦即刻退陣・社会大改革非常行動」（以下、非常行動）は毎日午後７時、光化門で弾劾を求める市民大行進を開くことにした。

この日非常行動の主催で開かれた光化門の尹大統領弾劾要求集会には午後８時基準で警察推算（非公式）約５５００人が参加した。彼らは「また即刻拘束」「検察も共犯」などと書かれたプラカードを持って「尹錫悦を罷免せよ」とスローガンを叫んだ。午前から光化門に来たというパク・ソンスさん（６７）は「もし弾劾が棄却されるなら第２の戒厳事態が発生する可能性があると思うと腹が立つ」と強調した。

この日午前、国会で開かれた野党５党（民主党、祖国革新党、進歩党、基本所得党、社会民主党）円卓会議で「内乱首魁が不可思議な法解釈を通じて拘束を免じたという事実が信じられない」と話した共に民主党の李在明（イ・ジェミョン）代表も集会に出席した。チョン・ヨンイ共同議長ら非常行動側の一部関係者は８日から徹夜の断食座り込みに突入した。また、全国裁判所および検察庁、政府庁舎などで同時多発的に１人デモおよび時局宣言発表を継続することにした。

尹大統領釈放を基点に過熱する弾劾賛成・反対両側集会に一帯の商人や住民たちは地団駄を踏んだ。ブランチカフェを運営しているキムさん（４３）さんは「デモのせいで売上が普段より３分の１に減った」とし「暖かくなって客が増えたかもしれないのに、本当に泣きたいような心情」と吐露した。官邸近隣の住宅街に住むＡさんは「一日中家の中に集会の騒音が響いてなかなか眠りにつけない」と話した。

憲法裁判所・大統領官邸付近の学校も不安を隠せずにいる。官邸に近い漢南小学校だけでなく、憲法裁判所にも周辺に校洞（キョドン）小、斎洞（チェドン）小、徳成（トクソン）女子中・女子高など６つの学校が集まっている。教育当局および学校側は弾劾審判宣告当日、休校処置を取る案を検討している。

一方、この日憲法裁判所公式サイト自由掲示板に接続待機を知らせる案内が表示され続けていた。釈放された尹錫悦大統領弾劾に対する賛否のコメントが急増したためだ。この日午後５時３０分基準で一日間に掲示された憲法裁判所自由掲示板のコメントは８万５６４件だ。１分に約７６件のコメントがつけられたことになる。