米国デューク大学のダン・アリエリー教授。
米国デューク大学のダン・アリエリー教授(58)は先月23日に中央日報との電子メール・インタビューでこのように強調した。アリエリー氏は人間の非理性を暴いた本『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』などで世界的な名声を得た行動経済学者だ。誤った考え(ミスビリーフ)に陥ることになる原因を分析した彼の本『misbelief』は最近韓国で繰り返し議論された。12・3戒厳事態の余波で不正選挙論・陰謀説が広がりながらだ。アリエリー氏は「(韓国の)ニュースを見た。(韓国状況を)非常に悲しく思う」とした。
--韓国では尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領支持者の間に不正選挙論が広がった。不正選挙の背後に中国がいるという主張もあるが、相当数がフェイクニュースであることが判明し、陰謀説という評価も出ているが。
「私は陰謀説よりもミスビリーフだと言いたい。陰謀説は蔑む言葉だ。ミスビリーフは事実ではないものを信じ、他の全てのものを色眼鏡で見ることだ。証拠がないのに尹大統領に関連した情報を疑いなくすんなり信じるなら、これは彼を支持したいという信号だ。これが果たして真実なのか、でなければ忠誠心に関することなのか考えてみなければならない」
--ドナルド・トランプ支持者が2020年米国大統領選挙で唱えたスローガン「ストップ・ザ・スティール(Stop the Steal、票を盗むのは止めろ)」が韓国集会でも出ている。米国内の不正選挙論に対する認識は。
「すべての調査で不正選挙があったという証拠は全くない。(米国の保守志向放送の)フォックスニュースはトランプ氏が当時選挙で負けたことを知っていたが勝ったと主張したことが訴訟で明らかになった。〔※2020年米大統領選挙の投開票機操作の可能性を報道したフォックスニュースは名誉毀損訴訟を提起した投開票機会社に7億8750万ドル(現レートで約1164億3200万円)の賠償金を支払って訴訟を終了することで2023年合意した。また別の開票システム会社が提起した名誉毀損訴訟は進行中。〕トランプ氏は相変らず不正選挙だと言い張り、彼の支持者はこれを信じている。非常に悪い状況だ。選挙システムに対する大衆の信頼が低下するからだ」
--韓国では2012年大統領選挙時は右派ではない左派から不正選挙論が提起されたが。
「ミスビリーフは左右派陣営の問題ではない。あなた自身のグループを探すことに対する質問だ。私たち皆がこのような問題に弱い」
--著書で陰謀説に簡単に陥る人々の特徴として、パターンを熱心に探す人、直観に依存する人、知的謙遜水準が低い人、ナルシシストを提示したが。
「私は、大衆がストレスをたくさん受ける時にミスビリーフや陰謀説のような他の説明を探すと考えている。暴力が繰り返される社会であるほど、新型コロナウイルス陰謀説に対する信頼が高いのもそのためだ。ミスビリーフに陥る過程には感情・認知・性格・社会的要素が影響を及ぼす。知識人もそのような道に陥る」
--陰謀説に陥った人々を無視するのではなく、理解しようと努力しなければならないと言うが。
「ストレスを減らし、知的謙遜を教育し、ソーシャルメディアを変えなければならない。選挙信頼度を高める必要もある。中国政府の選挙介入を信じる者がいるなら、介入を遮断する予防システムがあることをあらゆる方法を動員して示さなくてはならない。韓国社会が分裂してアイデンティティ問題になる地点に到達したとすれば本当に大変だ。米国でも親トランプか反トランプかが政治問題ではなくアイデンティティの問題になっている。背筋が凍るような方向だ。社会が前に進めるように早く正してほしい」
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