米国ドナルド・トランプ大統領の仮想通貨戦略備蓄方針を巡って論争が大きくなっている。政府が国民の税金で仮想通貨に投資することが特定階層のみに利益を与えるのではないかという憂慮が提起された。インサイダー取引ではないかという疑惑まで起きている。

英国日刊テレグラフは２日（現地時間）、米国政府が仮想通貨の投資に出る場合、一部の「大口投資家」だけが利益をあげる可能性が高いという批判が出ていると報じた。


トランプ大統領は就任前から米国を仮想通貨の中心地にすると公言してきた。最近、行政命令を通じて暗号資産戦略備蓄の推進を指示した。


この戦略は政府が犯罪者から押収したビットコインを売却せずに保有して政府予算を活用して仮想通貨を追加で買収する方案を含んでいる。

米国政府が備蓄対象として考慮している仮想通貨には、ビットコインやイーサリアムのほか、リップル・ソラナ・カルダノなどが指定された。

トランプ大統領の発表以降、仮想通貨市場は急騰傾向を示した。一時８万ドル（約１億２０００万ウォン）ラインまで下落したビットコインは９万５０００ドルまで反騰した。

仮想通貨投資家はこれに歓呼したが、一部ではインサイダー取引の可能性を疑う声も出てきた。

米国政府が仮想通貨を備蓄する場合、時価総額１・２位であるビットコインとイーサリアムが含まれるのは自然だが、リップル・ソラナ・カルダノまで含まれた点は疑問という指摘だ。

一部ビットコイン投資家はトランプ政府の人工知能（ＡＩ）・仮想通貨政策を総括するトップに任命されたデービッド・サックス氏が背景にいるとみている。

トランプ大統領が発表した仮想通貨リストが、サックス氏が政府合流前に投資した仮想通貨ファンド構成と似ているという分析が出ているためだ。サックス氏は仮想通貨資産すべて処分して利害衝突がないというの立場だが、市場では今も疑問を提起している。

特に最近仮想通貨派生商品取引所ハイパーリキッドで匿名の投資家がビットコインとイーサリアムに高倍率ベッティングを通じて７００万ドル（約１０億４５００万円）の収益を得た事実が知らされて「ホワイトハウス・インサイダー取引の可能性」が提起された。

トランプ大統領と彼の家族が仮想通貨業界と関連がある点も論争を大きくしている。

トランプ大統領の長男と次男であるトランプ・ジュニア氏とエリック氏は仮想通貨プラットフォーム会社「ワールド・リバティ・フィナンシャル」に所属している。

また、トランプ大統領が設立したソーシャルメディア（ＳＮＳ）「トゥルース・ソーシャル」運営会社は最大２億５０００万ドルを仮想通貨を含む資産に投資する計画を発表した。

米国政府が仮想通貨市場を活性化する場合、トランプ大統領一家の資産も増加する可能性が高い。

仮想通貨投資会社キャッスル・アイルランド・ベンチャーズのニック・カーター氏は「ビットコインなど仮想通貨投資家は依然と米国人のうち少数にすぎない」とし「仮想通貨戦略備蓄措置は一般の人々にとっては自分たちの利益のための措置として受け取られるだろう」と指摘した。