「最近の仁川（インチョン）空港は出発４時間前に行ってもギリギリだって」

海外旅行を準備している人々の間でこのような話が行き来している。


本当に空港に到着して飛行機に乗るまで４時間もかかるのだろうか。正確な所要時間はひとまず脇に置いておいて、一時世界最高の空港を自負していた仁川空港が最近いつになく混雑しているのは事実だ。コロナ禍が落ち着いてから旅行客が急増したが空港人材は足りないためだ。空港を少しでも速やかに脱出する方法はないだろうか。海外旅行の一流講師がノウハウを伝授してくれた。


◇チェックインも、手荷物委託も「セルフ」

空港で待機の列が長いのは大きく分けて３つの地点だ。まず航空会社手続きカウンター。旅行上手は絶対に空港でチェックインはしない。航空会社ウェブサイトやアプリでチェックインして座席も指定しておく。大韓航空・アシアナ航空国際線は出発４８～１時間前、ジンエアーをはじめとする格安航空国際線は出発２４～１時間前にオンラインチェックインができる。最近は紙の搭乗券の代わりにモバイル搭乗券を発行する航空会社も多い。事前にオンラインチェックインをできなかった場合は？　航空会社手続きカウンターの近くに設置された無人端末（キオスク）で「セルフチェックイン」をしても時間節約が可能だ。

前もって手続きを終えているなら、手荷物委託専用カウンターで荷物を渡したり乗客が直接手荷物を預けたりする「セルフバッグドロップ」サービスを利用すればよい。ただし、セルフバッグドロップを利用できる航空会社は限られている。仁川空港に就航中の９０社余りの航空会社のうち、９社だけがセルフバッグドロップサービスを提供している。

チェックインを終えた後、急いで両替して旅行者保険に加入して通信社ローミングを申し込む人もいる。時間とお金をどちらも失う方法だ。両替はあらかじめ常連の銀行でしてこそ両替手数料を節約することができる。旅行者保険はモバイルで加入してこそ手軽で安い。ローミングはＵＳＩＭやＥＳＩＭを利用するほうがよい。

次に列に並ばなくてはならない場所は出国場だ。仁川空港第１・２ターミナルはそれぞれ６カ所の審査場を備えている。しかし時間帯により一部の出国場だけを運営する場合がある。仁川空港アプリやネイバー（ＮＡＶＥＲ）で「仁川空港混雑度」を参考にすれば、それほど混んでいない出国場を確認することができる。

◇ソウル駅で出国審査まで完了

出国場への進入前には「スマートパス」への登録も必須だ。モバイルアプリをダウンロードした後、パスポートや搭乗券情報、顔を認識しておけば出国場から専用ラインで入ることができる。空港の至るところに設置されたキオスクを通じて登録してもかまわない。大韓航空・チェジュ航空など６社の航空会社乗客は搭乗口でもスマートパスの恩恵を受けることができる。煩わしくパスポートや搭乗券を取り出さずとも顔面認識だけでゲートを通過することができる。スマートパス利用客は増加の一途だ。仁川空港公社によると、今年１月までに累積４４０万人ほどが登録した。１月、仁川空港出国者のうち約１５％がスマートパスを利用した。

出国場を通過すると保安検査場が待っている。ボトルネック現象が深刻な週末や休暇シーズンには特別な要領がない。液体類・電子機器など機内携帯禁止品目がないように事前に確認するしかない。かかとの高さが３．５センチ以上の靴や、幾重にも着たコートは脱がなければならない点も参考にしよう。

混雑した保安検査場を最初から避ける方法もある。都心空港ターミナルを利用すればよい。現在ソウル駅と光明（クァンミョン）駅で都心空港ターミナルを運営している。光明駅は大韓航空をはじめの航空会社５社に限り「搭乗手続き」と「手荷物委託」までを行うことができる。ソウル駅は韓国国籍航空会社８社とルフトハンザ航空の乗客に限り「出国手続き」サービスまで提供している。手続きを終えた乗客は空港鉄道を乗って仁川空港に移動した後、乗務員が利用する「専用出国通路」を経て免税区域に入ることができる。

最後に最も重要な事実。では空港には一体いつ到着すべきだろうか。空港側はソル（旧正月）連休のような時でなければ出発３時間前に到着しても充分だという。仁川空港公社広報チームのキム・ギミン・チーム長は「航空会社カウンターが出発３時間前に開く」とし「あまりにも早く到着しすぎて列に並ぶと混乱がひどくなる場合もある」と話した。