米国のダニエル・カーネマン（６８）とバーノン・スミス（７５）の両氏が、今年のノーベル経済学賞の共同受賞者に選ばれた。

スウェーデン王立科学アカデミーは９日、米プリンストン大学のダニエル・カーネマン教授については、心理学の研究技法を経済学に導入し、それによって不確実性のなかの意思決定過程を究明した功労を、米ジョージ・メーソン大学のバーノン・スミス教授については、科学実験の研究方法を代替市場に関する経験的分析手段として活用した業績を、それぞれ授賞の理由に選んだ。


また、今年のノーベル化学賞は、たんぱく質など生体高分子物質の質量と形を正確に把握できる方法を開発した３人の科学者に与えられた。


スウェーデン王立科学アカデミーは、米バージニア・コモンウエルズ大教授のジョン・Ｂ・フェン博士（８５）と、京都市の精密機器メーカー島津製作所ライフサイエンス研究所主任の田中耕一氏（４３）、スイス連邦工科大教授のクルト・ビュートリッヒ博士（６４）を、２００２年のノーベル化学賞受賞者に選定したと発表した。

フェン教授と田中氏は、１９８８年、数千～数万個の原子からなる生体たんぱく質の質量を、一つの原子の誤差もなく測定する方法を開発した。

ビュートリッヒ博士は、１９８０年、核磁気共鳴映像（ＮＭＲ）の装置を利用し、たんぱく質の３次元構造を把握するのに成功した。