釜山警察庁の全景 [写真 釜山警察庁]
◇髪の毛をつかみ、口を手で塞ぐ治療士
釜山警察庁は市内の言語治療センターと、このセンターに勤務している治療士を捜査していると12日、明らかにした。このセンターは言語リハビリや感覚統合治療などで釜山では有名なところだという。捜査対象になった治療士2人はともに20代女性だという。2人は昨年下半期、言語障害治療のためにセンターを訪問した児童を身体的に虐待した容疑(児童虐待)がもたれている。
センター側の防犯カメラの動画を見ると、該当の治療士が児童を苦しめていたとみられる具体的な場面が入っていた。治療士2人が児童1人を間に挟み、嘔吐するまで口を防いだり、2人が交代で別の児童の髪の毛をつかんで体重をのせて首筋などを押さえ付ける場面だ。映像の中の児童は怖がって泣いて苦しんだが、障害によって十分な意思表示をすることができず、保護者にもこのような事実を知らせることができなかった。
このような虐待情況は昨年11月ごろ、治療士のうち1人が廊下で児童の横顔を平手打ちする場面をセンター関係者が目撃して明らかになった。防犯カメラの映像を遡って昨年下半期に治療室内部で虐待とみられる行動が何度も繰り返されていた事実を確認したセンター側はこれを両親に知らせて警察に通報した。
◇センターを辞めた治療士たち、経歴証明書の発行を受けてから去った
現在まで6~7歳の男子児童4人が治療士から虐待を受けていたことが確認された。3年以上このセンターに息子のAくん(7)の治療に通わせていたBさんは「最初虐待の事実を知った時、悲嘆に暮れた」と話した。Bさんは問題の治療士2人がともに2023年下半期ごろにこのセンターに就職したと記憶している。
Bさんは「振り返ってみると、子どもの不安症状や暴力性が激しくなり、夜におねしょをすることが頻繁になるなど異常が出てきたが、それはこのような虐待のためだったようだ」とし「だが、センター側の説明を聞く前までは治療室でそのような恐ろしいことが起きていたとは想像すらできなかった」とした。AくんはもちろんBさんも息を正常にできないほど激しいストレスを受けて心理治療を受けているという。
この事件を契機に問題の治療士たちはセンターを辞めた。だが、再就職など経歴証明に必要な書類をセンター側に発行してもらって去ったという。これについてセンターを利用した保護者たちは「彼女たちが引き続き仕事をすれば、別の被害が生じる場合がある」といって心配している。
◇「言葉の不自由な児童を対象とした犯行、厳罰に処すべき」
警察は3カ月分のセンターの防犯カメラ映像を確保して分析している。まだBさんら被害児童保護者などを対象にした調査までは行われていないという。
Bさんは「言葉の不自由な子どもを持つ保護者たちは言語治療士を頼り、使命感で仕事をしてくれていると信じていた。だが、今回のことを体験して大きな裏切りを感じた。他の所に子どもの治療を任せるまでに数カ月の時間を要した」と打ち明けた。Bさんは「捜査過程で映像を徹底的に分析して、まだ明るみになっていない被害事例をすべて確認し、治療士はきちんと罰を受けてほしい」とし「障がい児童が増えている状況なので子どもたちを治療する機関に対する管理・監督強化も必要だ」と話した。
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