トランプ米大統領
トランプ大統領はこの日、ホワイトハウスで開かれたアブドラ国王との首脳会談で、イスラエルとパレスチナ武装組織ハマスの戦争終結および戦後安定化案などを議論した。イスラエルのネタニヤフ首相と会談した4日にガザ構想を公開して以降、アラブ国家の首脳との初めての対面会談だった。
ホワイトハウス担当記者団によると、トランプ大統領は会談前の取材陣との対話で、ガザ地区を買収するのかという質問に対し「我々は買収する理由はない」とし「我々はガザを所有し、大切にする」と答えた。「(米国が)どのようにガザを所有できるのか」という質問には「米国の権限(Under the US authority)」と答えた。
トランプ大統領はガザ地区のパレスチナ住民をヨルダンやエジプトなど周辺国に移住させてガザを開発するという構想を明らかにしたが、これはパレスチナ自治主権を侵害するうえ、国際社会が支持してきた「二つの国家解決法」(イスラエルとパレスチナがそれぞれ独立国家として共存する方式)の趣旨に背くという点でアラブ国家の反発に直面した。ヨルダンも反対の意思を明らかにしたアラブ国の一つだ。
にもかかわらず、トランプ大統領はこの日の会談でガザ住民移住構想と関連し「ヨルダンとエジプトの一部の土地とその他の地域を確保することができるだろう」と述べた。ヨルダンにガザ住民の一部受け入れを促す発言と解釈された。続いて「我々はヨルダンとエジプトに資金面で多くの寄与をする」とし「我々は脅迫はしない。我々はそのようなレベルを超える人たちだ」と話した。
しかしトランプ大統領は前日、ヨルダンとエジプトが自身の提案に同意しない場合「援助中断」カードで圧力を加えることもあると話していた。トランプ大統領は、「同意しなければ援助を保留するのか」という取材陣の質問に「できない理由はない。援助を保留することもある」と答えた。米国が1年間にヨルダンとエジプトに寄与する援助規模(2023会計年度基準)はそれぞれ17億ドル(約2600億円)、15億ドルにのぼる。
アブドラ国王はトランプ大統領のガザ構想に関し「エジプトとアラブ国家の計画があるという点に留意しなければいけない」と述べた。ガザ構想が公開された当時、直ちに反対したことを考えると、やや控えめな表現だった。
続いて「すべてに最善となる方法を見つけることが問題」とし「我々が直ちにできることは、深刻な状態のガザ地区の子ども約2000人を最大限早くヨルダンに連れてくること」と話した。すると、トランプ大統領は「美しい姿(beautiful gesture)」と称えた。
この日の会談には米国側からルビオ国務長官、ウォルツ国家安全保障担当大統領補佐官、ヨルダン側からフセイン皇太子らが同席した。
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