SKハイニックスの世界最高層321層1Tb TCL 4DNAND [写真 SKハイニックス]
2013年にサムスン電子が世界で初めて24層NANDを発売し積層競争に火を付けた。ナノプロセスの限界を克服し、同じ面積により多くのデータ保存空間を確保するために積層技術で競争したのだ。現在サムスン電子が量産する最高層NANDは286層だ。
だが最近中国の長江存儲科技(YMTC)が270層水準のNAND新製品を出したという事実が伝わり、半導体業界がざわめいている。「中国の追撃があごの下まできた」という懸念だ。
世界的半導体分析企業のテックインサイツは10日、中国YMTCと長鑫存儲技術(CXMT)がサムスン電子・SKハイニックスと類似水準のNAND積層技術を確保したと評価した。テックインサイツが製品分解などを通じた技術分析技法のリバースエンジニアリングで中国企業の最新メモリー半導体を分析した結果だ。
YMTCの子会社致鈦は1テラビット(Tb)トリプルレベルセル(TLC)第5世代3次元NANDを適用した消費者向けソリッドステートドライブ(SSD)を生産した。270層で現在の最高層量産製品であるSKハイニックスの321層よりは低いが、半導体2個をつなげたハイブリッドボンディング方式をNANDに適用した。メモリー上位3社が試みない方式だ。テックインサイツは「YMTCはハイブリッドボンディングで米国の輸出制裁を克服する方法を体得したもの」と分析した。NAND製造にはエッチング装備などが重要だが、現在米ラムリサーチなどが生産した装備を購入するのが難しいYMTCが迂回ルートを見つけたという評価だ。
CXMTは16ナノメートル(ナノは10億分の1)プロセスを活用したDDR5 16GbDRAMを量産したことがわかった。サムスン電子とSKハイニックスは現在主に12・14ナノメートルDDR5市場を主導しているが、テックインサイツは「CXMTの16ナノメートルDDR5新製品の性能がSKハイニックスの12ナノメートル製品より良い」と評価した。
専門家らはこうした中国の追撃に対し、▽経済性を考慮しない無差別的な挑戦▽技術時差に一気に追いつく追撃速度▽制裁の隙間を見つけ出す創意性――を3大核心競争力に挙げた。次世代知能型半導体事業団長を務めるソウル大学のキム・ヒョンジュン名誉教授は、「広帯域メモリー(HBM)4に使われるハイブリッドボンディング技術をNANDに適用すれば経済性が大きく落ちるはずだが、中国企業はどれだけ費用がかかろうがひとまず作って追撃する」と話した。ガートナーによると、昨年世界の半導体企業のうち売り上げ増加率1位はYMTCの145.2%だった。また、YMTCは128層から270層NANDに跳躍した期間が3年5カ月で、サムスン電子が128層から286層を量産するのにかかった期間の4年7カ月より短いほど速度戦を行っている。
ソウル大学のファン・チョルソン客員教授はCXMTのDRAM性能に対し「中国の16ナノメートルの性能が韓国の12ナノメートルより良いという評価を受けたのは、ハイブリッドボンディングのように全く考えられなかった方式を使ったので可能だったこと。嘘か嘘みたいな驚くこと」と評価した。
最近メモリー市場は中国の低価格攻勢でチキンゲームに近い。先月のDRAM価格(DDR4 8Gb基準)は1.35ドルで2年前より60%下落し、同じ期間に汎用NAND価格も47%下落した。SKハイニックスは10-12月期の業績カンファレンスコールで「(中国製品とは)品質と性能に確実な差がある。技術格差を維持するだろう」と明らかにした。サムスン電子もやはりカンファレンスコールで「ハイエンド市場に注力するだろう」と話した。
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