イーロン・マスク最高経営責任者
9日(現地時間)、ブルームバーグ通信によると、マスク氏は先月ドイツのあるカンファレンスに出席してディープシークについて「それが本当にAI革命だと思うか」と反問した後、「そうではない。(マスクが経営する)xAIと他の会社がもっと優秀なモデルをリリースするだろう」と話した。
マスク氏は2023年3月にxAIを設立してAI開発戦線に参入した。xAIはオープンAIのChatGPTに対抗して2023年3月と昨年8月にAIチャットボット「グロック(Grok)1」と「グロック2」を順に公開し、現在は「グロック3」の公開を控えている。
スタンフォード大学とワシントン大学のAI研究陣も、50ドル未満の費用でAI推論モデルを訓練したという内容の研究論文を最近発表した。「s1」と名付けられたこのモデルは、数学科コーディング能力テストでChatGPTの「o1」、ディープシークの「R1」など最新鋭モデルとほぼ同じ性能を示していることが明らかになった。
s1が低コストで開発ができた秘訣は「蒸留(distillation)」という一種のAI訓練方式にある。蒸留はAIモデルを訓練する過程で他のモデルの結果を使用することをいう。s1はグーグルのAIモデルである「ジェミニ2.0フラッシュ・シンキング・エクスペリメンタル(Gemini 2.0 Flash Thinking Experimental)で蒸留したという。
研究陣は「訓練にエヌビディア(NVIDIA)の先端AIチップであるH100グラフィック処理装置(GPU)を使用し、30分もかからなかった」とし「総費用は50ドルかからなかった」と説明した。
ChatGPT-4開発推定費用の18分の1に過ぎない557万6000ドルの開発費で市場に衝撃を与えたディープシーク(DeepSeek)R1も、オープンAIのChatGPTを蒸留したという疑惑を受けた。
IT専門メディア「テッククランチ(TechCrunch)」は「s1が使った蒸留方法はディープシークがChatGPTを利用した蒸留法よりも低コスト」と評価した。s1も中国企業アリババが開発した無料AIモデルをベースに製作したものだという。中国が米国産AIを蒸留してコストパフォーマンスの高いAI「ディープシーク」を出し、米大学研究陣も中国産AIを利用して無料に近いAIを開発する方法を出した。
ただし、専門家は蒸留を通じだとAIモデルの画期的発展を引き出すことができないとみている。CNBCは「小規模開発チームが高価なAIモデルを安くコピーしたことで、AIモデルの商業化に対する懸念が持ち上がっている」と指摘した。
マスク氏が率いる政府効率化省(DOGE)が連邦政府構造調整にAI技術を組み合わせているという報道も出てきた。ワシントン・ポスト(WP)によると、マスク氏がDOGE職員に政府記録とデータベースをAIに入れる作業をさせている。これを通じて人間がしていたことをAIに代えることが目標という。
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