9日未明、全羅南道麗水市の下白島付近の海域で漁船が沈没した。事故直後、救命いかだに乗った船員たちが救助を待っている。[写真 麗水海洋警察]
麗水海洋警察側はこの日の記者会見で「生存者は救命胴衣を着ずに海に飛び込み、5メートルほど泳いで救命いかだに乗り込んだ」とし「誰が、いつ救命いかだを広げたのか、自動的に広がったのかなどは確認中」と明らかにした。海洋警察などは現在も事故海域を中心に行方不明者の捜索に取り組んでいる。崔相穆(チェ・サンモク)大統領権限代行副首相兼企画財政部長官はこの日、「使用可能な装備と人材を総動員して最優先に人命を救助し、行方不明者の把握に最善を尽くしてほしい」と緊急指示した。事故船体は同日午後3時54分ごろ、麗水市巨文島(コムンド)付近の海上で発見された。船体付近で行方不明者1人も発見され、午後6時18分ごろ死亡したまま引き揚げられた。
政府も漁船事故を減らすために力を入れている。海洋水産部は昨年5月、「漁船安全管理対策」を打ち出した。だが、漁船事故による死亡・行方不明者の増加傾向を阻止できずにいる。一例として、この3カ月間、漁船事故で死亡または行方不明になった人は28人にのぼる。昨年11月8日には済州道(チェジュド)の飛揚島(ピヤンド)海域で「135クムソン号」が転覆し、5人が死亡し、9人が行方不明になった。今年に入ってからは1日、済州市下道里(ハドリ)付近の沖合で「シムグァン号」と「33マンソン号」が座礁し、3人が死亡、1人が行方不明になった。
相次ぐ政府対策にも漁船事故が減らないのは特に秋・冬に沖での操業が集中している結果だ。秋・冬には突然の気象悪化と低い水温などの理由で大型被害につながる場合が多い。昨年末、韓国海洋交通安全公団の国内船舶事故100隻当たりの人命被害率(死亡・行方不明)分析結果によると、冬(12~2月)の人命被害率は4.8%で、夏(2.2%)や秋(3.1%)よりはるかに高かった。この日の事故当時、近隣海域の最大波高は2.3メートル、風速は時速34.9キロ水準で強風注意報と風浪注意報が下された。
沖での操業が多くなったのは、タチウオとマナガツオ・ウナギのような遠距離魚種が冬季に主に獲れるためだ。沖で事故が起きると、近海より救助が難しい。第22ソギョン号が沈没した海域は麗水海洋警察署を基準に陸から75キロほど離れている。海洋警察の艦艇が時速50キロで移動しても1時間30分ほどかかる。
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