国際通貨基金（ＩＭＦ）が７日、「２０２５年の韓国経済は下方リスクが優勢」と評価した。「２０２４年韓国年次協議報告書」でだ。この日、ＩＭＦは今年の韓国経済が潜在成長率レベル（２．０％）で成長すると予想した。今年１月の定期見通しで提示した予測値と同じだ。

ただ、ＩＭＦは「今年の韓国経済は不確実性が高い状況」とし「下方リスクが優勢」という見方を示した。４月の定期見通しで成長率予測値を２．０％から引き下げる可能性を示唆したものと、企画財政部はみている。

ＩＭＦは主な下方リスクとして▼政治的不確実性の持続▼米国新政権の政策変化▼半導体需要の減少傾向▼主要貿易相手国の景気不振▼地政学的紛争の激化－－などを挙げた。特に、昨年１２月の尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領の非常戒厳・解除事態で触発した政治的不確実性をめぐり「長期化すれば投資・消費心理に悪影響を及ぼし、金融市場の変動性を拡大させるおそれがある」と警告した。


下方リスクに対応するためには▼漸進的な通貨政策正常化（政策金利引き下げ）▼健全財政基調の持続▼構造改革－－を進めるべきという注文があった。漸進的な通貨政策正常化の場合、依然として高い期待インフレと金融安定リスク要因などを考慮して「漸進的」に進めるべきだと、ＩＭＦは強調した。

健全財政基調の持続に関しては「高齢化による未来の支出圧力に対応するために、より一層積極的な健全財政努力が必要」と指摘した。ただ「成長が鈍化し、目標水準以下の物価下落が発生する場合、さらに緩和的な通貨政策と脆弱階層に対する追加財政支援が考慮されるべき」とした。

構造改革については「住居・教育・育児負担の緩和を通した出生率向上とともに、女性の経済活動参加拡大および優秀な外国労働者の活用を通じて生産可能人口の減少に対応するべき」を勧告した。また、中小企業・サービス部門の規制改善と人工知能（ＡＩ）活用拡大を通した生産性向上も強調された。このほか、年金改革、財政準則導入、税収拡充、支出効率化、気候変動対応にも努力する必要があると伝えた。

一方、ＩＭＦは韓国の外貨準備高に対し「外部の衝撃に十分に対応可能なレベル」と分析した。最近拡大した純対外金融資産（ＧＤＰ比４３．９％）も対外健全性を支持する重要な要素だと評価した。住宅市場とプロジェクトファイナンス（ＰＦ）などについては「潜在的な不安要因が存在するが、管理可能な水準」としながらも「脆弱要因のモニタリングと先制的な対応努力を勧告する」と明らかにした。昨年１２月の戒厳事態直後に実施した金融市場安定化措置を関しては「市場が正常化すれば直ちに終了するべき」と強調した。