◆輸出入物量の40%、南シナ海を通過
米国は全世界海洋の統制権を確保するのに成功したことで覇権国になった。おそらくこうした基調は今後も維持されるはずで、これに則した国際秩序を構築しようとするだろう。半面、中国は「中国の夢」実現のために米国主導の海洋統制権に挑戦している。中国は南シナ海に人工島を7つも建設するなど手段と方法を問わない。中国は2020年にすでに南シナ海の統制権を確保したと主張した。南シナ海は韓国の輸出入物流量の約40%が通過するところだ。韓国の経済・安保に直結する海域ということだ。中国が南シナ海に対する韓国の動きによって西海(ソヘ、黄海)で軍事的な動きをする可能性も排除できない。筆者は海軍参謀総長と合同参謀本部議長を務めた当時、西海で中国の海上武力示威を経験した。すでに中国の海洋覇権争奪の試みが、特に台湾や南シナ海問題が他人事でなく韓国の安保に直接的な脅威になっているということだ。
もちろん米国は中国の海洋覇権拡大の動きを阻止しようとするが、中国の反発が強い。南シナ海近隣の空中と海上で両国の軍事力が衝突直前となる状況も深刻なレベルで発生している。今後、南シナ海の統制権確保のための米国と中国の葛藤は深まる可能性が高い。さらに北朝鮮がロシアの支援を受けて原子力潜水艦を保有する場合、韓国には最悪の状況となる。北朝鮮は原子力潜水艦を利用して米国本土打撃の脅威はもちろん、遠海で韓国の海上輸送路をかく乱する可能性がある。
トランプ政権の発足で韓国の安保戦略刷新が避けられなくなった。この過程で海洋輸送路確保のための戦略樹立が後回しになってはいけない。米国に絶対的に依存した過去の戦略から、状況によっては自ら生き残る方策も考慮しなければならない。外交的な努力だけでなく実質的な軍事能力拡充を怠ってはならない。
隠密な遠距離作戦のための原子力潜水艦確保は絶対的に必要な代案になり得る。現在は韓国の核兵器保有が容易でないが、北朝鮮の核の脅威レベルにいつでも対応できるよう韓米協力を強化し、「潜在的」な核能力確保に向けた努力も検討しなければいけない。経済はどれほど良い暮らしをするかの問題だが、安保は死ぬか生きるかの問題だ。
崔潤喜(チェ・ユンヒ)/元合同参謀議長/韓国海洋連盟総裁
【韓半島平和ウォッチ】安保・経済生命線「海上輸送路守護」が足下の火=韓国(1)
米国は全世界海洋の統制権を確保するのに成功したことで覇権国になった。おそらくこうした基調は今後も維持されるはずで、これに則した国際秩序を構築しようとするだろう。半面、中国は「中国の夢」実現のために米国主導の海洋統制権に挑戦している。中国は南シナ海に人工島を7つも建設するなど手段と方法を問わない。中国は2020年にすでに南シナ海の統制権を確保したと主張した。南シナ海は韓国の輸出入物流量の約40%が通過するところだ。韓国の経済・安保に直結する海域ということだ。中国が南シナ海に対する韓国の動きによって西海(ソヘ、黄海)で軍事的な動きをする可能性も排除できない。筆者は海軍参謀総長と合同参謀本部議長を務めた当時、西海で中国の海上武力示威を経験した。すでに中国の海洋覇権争奪の試みが、特に台湾や南シナ海問題が他人事でなく韓国の安保に直接的な脅威になっているということだ。
もちろん米国は中国の海洋覇権拡大の動きを阻止しようとするが、中国の反発が強い。南シナ海近隣の空中と海上で両国の軍事力が衝突直前となる状況も深刻なレベルで発生している。今後、南シナ海の統制権確保のための米国と中国の葛藤は深まる可能性が高い。さらに北朝鮮がロシアの支援を受けて原子力潜水艦を保有する場合、韓国には最悪の状況となる。北朝鮮は原子力潜水艦を利用して米国本土打撃の脅威はもちろん、遠海で韓国の海上輸送路をかく乱する可能性がある。
トランプ政権の発足で韓国の安保戦略刷新が避けられなくなった。この過程で海洋輸送路確保のための戦略樹立が後回しになってはいけない。米国に絶対的に依存した過去の戦略から、状況によっては自ら生き残る方策も考慮しなければならない。外交的な努力だけでなく実質的な軍事能力拡充を怠ってはならない。
隠密な遠距離作戦のための原子力潜水艦確保は絶対的に必要な代案になり得る。現在は韓国の核兵器保有が容易でないが、北朝鮮の核の脅威レベルにいつでも対応できるよう韓米協力を強化し、「潜在的」な核能力確保に向けた努力も検討しなければいけない。経済はどれほど良い暮らしをするかの問題だが、安保は死ぬか生きるかの問題だ。
崔潤喜(チェ・ユンヒ)/元合同参謀議長/韓国海洋連盟総裁
【韓半島平和ウォッチ】安保・経済生命線「海上輸送路守護」が足下の火=韓国(1)
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