トランプ米大統領
ガザ地区のパレスチナ住民を第3の地域に永久に移住させた後、米国の管理下でガザ地区を長期間開発するという計画だが、米国と国際社会が支持してきた「二国家解決」(イスラエルとパレスチナがそれぞれ独立国家として共存する方式)の趣旨から外れるうえ、パレスチナ自治の主権を侵害する点で論争になっている。サウジアラビアをはじめとする中東国家は直ちに反対の立場を明らかにした。
トランプ大統領はこの日、米・イスラエル首脳会談の後に開いた共同記者会見で、「米国がガザ地区を所有し、こちらで仕事をする」としながら「我々はガザ地区を所有し、危険な不発弾など武器の解体の責任を負い、敷地を平坦にし、破壊された建物を撤去し、地域住民に雇用と住居を無制限に供給する経済発展を起こす」と述べた。続いて「ガザ地区に居住する180万のパレスチナ人が究極的に住むための複数の領域を建設し、死と破壊、不運を終わらせる」とした。
トランプ大統領はガザ地区を「死と破壊の象徴」と呼び、米軍派遣の可能性も排除しなかった。「米軍を派兵する考えはあるのか」という取材陣の問いに対して「必要ならばそうする。ガザ地区に関する限り、われわれは必要なことをする」と答えた。
トランプ大統領はガザ地区に経済発展を起こせば、世界の人々が集まるだろうとし、「中東のリビエラになるだろう」とも述べた。リビエラは暖かい気候と海岸線を自慢する高級リゾート地を指す言葉だ。
ネタニヤフ首相は歓迎の意を表わした。トランプ大統領について「歴代ホワイトハウスでイスラエルが持った最も偉大な友人」と絶賛した後、「イスラエルの勝利は米国の勝利になるだろう」と話した。続いてトランプ大統領のガザ地区の米国占領方案について「歴史を変える可能性がある」と評価した。
しかし、トランプ大統領のガザ地区占有・開発構想はパレスチナの主権侵害など直ちに論争を呼んだ。
記者会見現場にいたある記者は「米国が何の権限でガザ地区を掌握するのか」と聞いた。トランプ大統領は「私はこれを何カ月にもわたって検討を重ねてきた」とし「中東の他の首脳とも話をしたが、彼らもこのアイデアを非常に気に入っている」と主張した。
「二国家解決を支持しないということか」と別の記者が質問したが、これには即答を避けた。「2国家であれ1国家であれ、他のどのような国家であれ、これに関連しているわけではない。人生の機会を与えたいということを意味している」とだけ説明した。あわせて、パレスチナ住民がガザ地区に戻れば数十年間続いた暴力が繰り返されるとし、彼らをヨルダンやエジプトなど他国に移住させなければならないという主張を展開した。
特にガザ地区住民の第三国移住方案に関しては、当事者であるパレスチナ住民はもちろん、アラブ諸国も反対の立場を明らかにした。ハマスを含むパレスチナ側が猛烈に抵抗し、中東の緊張だけを高めることになるという点でだ。
トランプ大統領「ガザを所有する」…中東に火をつける(2)
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