ディープシーク。[ホームページ キャプチャー]
韓国行政安全部は5日、「中央官庁と17の自治体に『AI関連セキュリティガイドライン』を発送した」と明らかにした。ガイドラインには生成型AIへの個人情報入力を控え、公職内部情報をAIに上げる行動を留意してほしいという内容が盛り込まれたという。
行政安全部のガイドラインにディープシークは直接言及されていないが、このガイドラインを受け取った一部官庁はディープシーク接続制限に乗り出した。政府世宗(セジョン)庁舎の一部コンピュータは外部アクセスが可能だがディープシークにはアクセスできない状況だという。
産業通商資源部と国防部は5日、官庁インターネット網を通したディープシークへのアクセスを遮断した。産業通商資源部関係者は「敏感な産業・エネルギー・通信情報を扱うだけに独自の判断で遮断した。別途の指針があるまではディープシーク遮断を維持する方針」と話した。国防部関係者も「ディープシークに対する対内外の技術的懸念が多数提起されており、軍業務用インターネットパソコンに限り接続遮断を措置した」と話した。
企画財政部は行政安全部の勧告事項を全職員に周知させた上でディープシークアクセス遮断を検討中だ。外交部も「具体的なセキュリティ措置は確認することはできない」という立場だが全般的なセキュリティ性を検討中だという。
このように韓国政府が緊密に動くのはまだ市場で十分に検証を経ていない中国製AIプログラムに機密情報が流出しかねないという懸念のためだ。
ただ韓国政府はディープシークをターゲットとしたというよりは技術的懸念が起きている生成型AI全般の状況を考慮したという立場だ。行政安全部関係者は「今回のガイドラインに『ディープシーク』という単語は含まれていない。生成型AI使用を全面的に禁止するという意味でもない」と話した。
ディープシーク使用を禁止した公企業もある。韓国水力原子力は1日、社内業務網に「中国AIサービスのディープシーク使用禁止」という題名の公文書を掲示し、韓国電力KPSも同様の指針を社内に公示した。
民間企業も似た雰囲気だ。カカオは最近社内に「業務目的でのディープシーク利用を禁止する」と公示し、LGユープラスも5日に社内網を通じて「業務用にディープシークを活用することを禁止する。個人のパソコンでもディープシーク使用を控える方が良い」という内容の情報セキュリティ案内文を公示した。
一方、行政安全部傘下の個人情報保護委員会は先月31日、ディープシーク本社に個人情報の収集項目、手続き、処理、保管などの確認を要請する質問書を発送した。個人情報委関係者は「まだディープシーク本社から回答を受け取っていない。通常企業に類似の質問書を発送した場合、回答を受けるのに平均1~2週間ぐらいかかるので当分回答を待ちたい」と話した。
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