トランプ大統領が1987年に出版した『トランプ自伝 アメリカを変える男』。[写真 トランプストア]
トランプ大統領は関税賦課を翌日に控えた3日(現地時間)、メキシコとカナダに1カ月の猶予を決めた。中国には「24時間以内に対話する」と明らかにした。
トランプ氏は期限を決めておいて国家首脳同士が直ちに交渉する速度戦を使っている。メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領と直接電話会談を行い、「メキシコが国境に軍兵力1万人を投入して薬物と不法移住民を取り締まる」という成果を引き出した。
さらに、カナダのジャスティン・トルドー首相とも電話会談で協議を終えた。トランプ氏は交渉の途中に「米国銀行がカナダで営業をすることが許されていない」としてSNSに具体的な要求事項を公開したりもした。
ひとまず状況を大きく揺さぶり、相手国を衝撃に陥れた後、具体的な要求を提示する方式をめぐって、トランプ氏の事業家気質も再び注目されている。
トランプ氏は1987年に出版した『トランプ自伝 アメリカを変える男』(The Art of the Deal)で、「土台を揺さぶって自分のスタイルで流れを変える。最高位層との談判を通じて一気にビッグディールを試みる」と所信を明らかにした。
この本には「テコ(手段)を使え」「私はほとんど望むだけの目標を達成する」「仕事を成功するためには若干の見栄が必要だ。少しの誇張は損害をもたらさない」などの内容もある。
トランプ氏は政権1期目の時も「衝撃と恐怖」と呼ばれた外交交渉を見せた。2日、「米国は事実上、全世界のほぼすべての国から恐喝(ripped off)されてきた」とし、「貿易赤字を変える」と述べた。
これに伴い、関税戦争の次の相手国はトランプ氏が「3500億ドル(約54兆3000億円)の赤字を出している。間違いなく何かをしなければならない」と述べた欧州連合(EU)になる見通しだ。
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