ルーブル美術館の資料写真[Pixabay]
ニューヨーク・タイムズ(NYT)など外信の報道によると、マクロン大統領は「ルーブルは世界で唯一無二の、最も美しく最も大きな博物館」とし「我々はそれに合わせて考えを大きくする必要がある。ルーブルを今の現実に合わせて拡張し、改装しなければならない」と述べた。
マクロン大統領が発表した新しいルーブル計画は次の通りだ。まず、博物館の一番東のセーヌ川に近い方向に新しい大型出入口を作るということだ。1989年に開通した現在のピラミッドの入口は、年間400万人の訪問客を迎えるように設計された。しかし、今は毎年900万人に近い観覧客が訪れ、「過密化」問題が持続的に提起されてきた。
また、ルーブルで観覧客が最も多く訪れる作品である『モナ・リザ』は、専用スペースを設けて展示するということだ。このようにすれば、観覧客がメイン博物館に入らずに別途の入場券を持って『モナ・リザ』だけを観覧することができる。
この他、博物館周辺の老朽化したインフラを整備し、博物館の地下に新しい展示と案内空間、訪問客サービス空間も追加する。マクロン大統領は「今年末までに国際建築公募展を通じて設計案を確定し、いくら遅くても2031年までに改修・現代化作業を終える」と明らかにした。
マクロン大統領は「ルーブル博物館は再設計・復元され、世界芸術史の中心地になるだろう」とし「今後、年間1200万人の訪問客を迎えるのが目標」と述べた。
目を引くのは、この計画を大統領が直接ルーブルを訪れて『モナ・リザ』の前で発表したという点だ。ルーブルが単にパリを代表する観光名所ではなく、フランス文化の象徴でありフランス「ソフトパワー」を代表する機関という点を考えると、その意味が絶対に小さくないように見える。
NYTは「マクロン大統領の新しいルーブル計画は現在フランスが政治的混乱に直面しており、公共財政を極度に緊縮している微妙な時期に発表された」と伝えた。さらに、一部専門家の話を引用して「国内的に地位が弱まったマクロン大統領がルーブル博物館に自身の痕跡を残して自身の遺産を作ろうとすること」と分析した。
一方、英紙ガーディアンは「ルーブル博物館が実際に問題にならない問題を解決しようと努力しているようだ」として他の観点で懸念を表わした。『モナ・リザ』を隔離された特別展示室に移すのは「むしろ高級芸術を大衆文化として定着させたルーブルのエコシステムを傷つけるということ」だ。訪問客が『モナ・リザ』を見るまで博物館の他の展示室を通過し、豊かな遺産に触れるチャンスを遮断するという点からだ。
ここ数年、『モナ・リザ』の観覧環境に対する否定的な世論が高まってきた。ルーブル訪問客の約8割は『モナ・リザ』を見に来ると推定され、観覧客を統制するのがルーブルの大きな悩みの種だった。これに先立って、ローランス・デ・カル博物館長は今月初め、ラシダ・ダチ文化大臣に送った文書を通じて「ルーブルが老朽化で疲弊している」としてリノベーションが切実に必要だと強調したことがある。
外信はルーブルの現代化作業におよそ4億ユーロ(約638億円)の費用がかかると見通した。この費用を一部負担するために、ルーブルは来年から非欧州連合国家訪問客の入場料(現在22ユーロ)もさらに引き上げる予定だ。
NYTは「マクロン大統領は2017年、ガラスと鋼鉄ピラミッドの前で初めての任期当選の演説を行った」として「マクロン大統領はルーブルで大統領職を始め、ルーブルで大統領職を終えたいと思っている」と伝えた。また1980年代現在のピラミッド建築物を依頼したミッテラン元大統領のように、マクロン大統領がフランスの自負心の源であるルーブルを通じて「歴史書にイメージを残すために作業している」と報じた。
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