29日午前、金海(キムヘ)空港で朴亨埈(パク・ヒョンジュン)釜山(プサン)市長らがエアプサン航空機火災事故現場を視察している。[写真 釜山市]
当時、秒速10メートルの強風に乗って航空機尾翼側から始まった炎が胴体側に燃え広がり、3万5000ポンドの航空燃料が入った翼に火が燃え移った場合、一歩間違えれば爆発事故につながるような緊迫した状況だった。幸い消防当局は防御線を構築して集中防御作戦を繰り広げて大型事故を防いだ。
29日、釜山(プサン)消防災難本部などによると、金海(キムヘ)空港駐機場で離陸を準備中だったエアプサン航空機BX391便で火事が発生したのは28日午後10時15分ごろだった。当時、機内後尾に位置するギャレーにいた乗務員は後方座席の上の棚で火花と煙を目撃、管制塔に報告し、119には午後10時26分ごろに最初の通報が入った。
空港公社消防隊、空軍分隊消防隊が相次いで現場に到着して初動対処に出たほか、江西(カンソ)消防署は現場に到着して3分後の午後10時38分ごろに対応1段階を発令した。この時は幸いエアスライドで乗員乗客が緊急脱出した後だった。
当時は航空機後方から煙が上がり、小さな花火が見える状況で、まだ火災が航空機全体に大きく広がってはいなかった。だが、すぐに強風にあおられて火があっという間に翼側に広がった。
当時、離陸を控えた航空機の両翼には3万5000ポンドの航空燃料がいっぱいに入っていて、火災がさらに拡散すれば爆発にも続きかねないような状況だった。
消防は翼側に広がってくる火を遮断するために防御線を張り、ポンプ車13台、特殊屈折はしご車5台、高所放水車1台をはじめとする装備68台を投入して航空機に向けて集中放水した。
その後、胴体の上の大きい火は消し止められたが、消防は小さな種火まで確実に鎮圧するために機内進入を決心した。
火災現場に投入された空軍第5空中機動飛行団所属の消防中隊所属のムン・ソンホ上士ら4人が先発隊として出て小さな火を消し止めるために機内に入り、火は発生約1時間後の午後11時31分完全に鎮火した。
江西消防署関係者は「もし燃料タンクに火が広がって爆発につながっていれば、現場で火災鎮圧にあたっていた隊員や空港関係者たちのその誰も無事ではなかっただろう」とし「何としても火を食い止めるという思いで、必死の消火作業を行い、幸い1時間後に大きな火を消し止めることができた」と話した。
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