金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長
朝鮮中央通信は26日、「海上(水中)対地上戦略巡航誘導武器試験発射」を金正恩委員長が参観した中、前日に(発射が)進行されたと明らかにした。また「発射された戦略巡航ミサイルは7507-7511秒間に1500キロの飛行区間を楕円および8字形軌道で飛行し、標的を命中打撃した」として写真も公開した。低高度で飛行して目標物を精密に打撃する誘導技術を誇示したと解釈される。
韓国軍の合同参謀本部もこの日、「(前日)午後4時ごろ北が内陸から西海(ソヘ、黄海)上に巡航ミサイル数発を発射したのを事前から認知し、追跡・監視した」と明らかにした。
実際、北朝鮮は今回のミサイルが「海上(水中)対地上」と明らかにしたが、公開された写真を見ると内陸から発射されたとみられる。軍関係者は「川や貯水池などから発射した可能性がある」と話した。
これに関連し国会国防委員会所属の国民の力の庾竜源(ユ・ヨンウォン)議員室は「地上の水槽から発射したと推定される」と説明した。北朝鮮が地上発射体系を海上や水中に移す改良過程を踏んでいる可能性もある。
ミサイル発射を参観した金正恩委員長は「共和国の武力の戦争抑止手段はより一層徹底的に完備されている」とし「我々は今後より強く進化した軍事力を基礎に、持続的かつ永久的な平和と安定を守るための独自の重大な使命と本分に常に責任を持って奮闘する」と話した。
今回のミサイルは北朝鮮が昨年1月に2回発射した潜水艦発射巡航ミサイル(SLCM)「プルファサル(火矢)-3-31」型の改良型の可能性がある。プルファサル-3-31には戦術核弾頭「火山31」などが搭載可能と推定される。
国防大のクォン・ヨンス名誉教授は「戦術核搭載が可能なら戦略用武器とみることができる」とし「金君玉(キム・グンオク)英雄艦など中型潜水艦を戦力化し、巡航ミサイルで米国領土のグアムまで射程圏に置くことができる場合、米国に投げかけるメッセージは大きい」と話した。北朝鮮は2023年9月、初の戦術核攻撃潜水艦と主張しながら金君玉英雄艦を進水した。
公開された写真によると、ミサイルはガスで発射された後に空中で点火する「コールドローンチ(cold launch)」方式で垂直発射されたと推定される。庾竜源議員室は「北が垂直発射管を備えたコールドローンチプラットホームから艦対地・潜対地攻撃を想定した巡航ミサイル試験発射を実施したのは初めて」と分析した。
ただ、巡航ミサイルの発射は明示的には国連安保理の対北朝鮮制裁違反に該当せず、米本土を直接脅かす武器には挙げられない。北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)など米本土打撃用武器の発射をひとまず控える姿だ。友好的な態度を見せるトランプ大統領を過度に刺激すべきでないという悩みが表れている。
この日、北朝鮮外務省も対外報道室長名義の談話で、サンメ訓練(21-24日)など最近実施された韓米連合訓練を批判した。「米国が主権と安全利益を拒否する以上、米国とは徹頭徹尾、超強硬対応をするべきであり、これだけが米国を相手にするうえで最上の選択」としながらだ。ただ、北朝鮮外務省は談話でトランプ大統領の名前に触れることはなかった。
北朝鮮が対米談話と武力挑発を同時に報道した意図は、米国側に連合訓練中断圧力を加えるものと見ることもできる。
一部では米国側がこれに呼応するという懸念もある。トランプ大統領1期目当時も北朝鮮との対話のために連合訓練を縮小および猶予したことがあり、戦略資産展開費用に不満を表した。
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