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米国企業と特許技術販売交渉中だった韓国のバイオベンチャー企業A社は、最近交渉中断を検討している。同社関係者は「海外企業の共同研究と投資を制限する米国政府の基調を背景に相手企業が技術購入費用を大きく引き下げようとしているようだ」と理由を明らかにした。「トランプ2.0」の影響がすでに韓国のベンチャー企業にまで及んでいるのだ。
MAGA(米国を再び偉大に)に代表されるトランプ大統領の米国優先主義時代には人工知能(AI)などIT分野もやはり「国境のない産業」として残るのは厳しい。韓国に対する牽制と圧力はすでに表面化した。先月17日に米国企業を代弁する駐韓米国商工会議所(AMCHAM)は「デジタルプラットフォームを規制しようとする韓国のアプローチ方式を懸念する」という声明を出した。翌日に韓国国会で「オンラインプラットフォーム規制法」など関連法案の公聴会が開かれるのを狙った立場表明だった。米国の産業・技術分野のシンクタンクである情報技術・イノベーション財団(ITIF)も先月9日に報告書を通じ「(オンラインプラットフォーム規制法が)米国との関係を緊張させかねない」と圧迫した。ソウル市立大学法学専門大学院のイ・ジュヒョン教授は「中国の半導体輸出規制を始まりに徐々に規制品目が拡大したようにAIも関連商品から技術まで規制が広がる恐れがある。韓国も影響を避けることはできないだろう」と話した。
◇「目には目を」の世界的拡散=主要国もそれぞれのやりかたで自国の産業と企業を保護して「トランプ2.0」に備えている。「目には目を、歯には歯を」で対応する形だ。欧州連合(EU)はこれまでIT分野で細かく強い規制障壁を積み上げてきた。2018年に作った個人情報保護法(GDPR)、2013年に施行したデジタル市場法(DMA)とデジタルサービス法(DSA)などが代表的だ。米国はDMAに対し「米国のビッグテックに数十億ドルの損害が発生し、中国企業に市場を明け渡すことになりかねない」と批判するが、「米国優先主義」に対するさらに強い対応を要求する欧州内の声はますます大きくなっている。スイスのVPNサービス「プロトン」の創業者アンディ・イェン氏は昨年11月にあるスタートアップカンファレンスで「欧州の指導者も『欧州優先主義』を掲げてほしい」と話した。
日本も自国の産業保護に向けた障壁を積んでいる。昨年6月に「スマホソフトウエア競争促進法」を作ってアップルのようなスマートフォンメーカーのアプリマーケットを容易に削除できるようにした。先月には公正取引委員会がグーグルの検索サービスに対し独占禁止法違反の決定を下すだろうという報道も出てきた。欧州のように米国のビッグテック規制を通じて自国の技術企業を育てようとする戦略とみられる。中国もやはり各種半導体技術と部品国産化の割合を高めて自国優先主義で対応している。ロイターによると昨年中国のソフトウエア・ハードウエア国産化に向けた事業費140万ドル以上の大規模プロジェクトは8年前の4件から大きく増えた169件を記録した。
トランプと弾劾だけではない…「全滅危機」の韓国IT業界、4つの悪夢(2)
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