２０日（現地時間）、米国の第４７代大統領にドナルド・トランプ氏が就任した。４年前に「いかなる形でも帰ってくる」という言葉を残してワシントンを離れたトランプ大統領が華麗に帰還したのだ。トランプ氏は米国が直面した危機を解決するため「歴史的な速度と力で行動する」と宣言した。米国優先主義は４年前より強まり、各国はトランプ発の請求書を予測しながらすでに生存戦略の準備に入っている。

尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領拘束事態でリーダーシップが不在の韓国の危機感は大きい。最近の欧州外交協会の調査によると、韓国人は調査対象２４カ国のうちトランプ政権２期目を最も悲観的（肯定敵１１％、否定的６８％）とみている。輸出主導型の経済構造と北朝鮮の核の脅威に露出した韓国は、トランプ氏の新しい安保・通商政策がもたらす「パーフェクトストーム」を憂慮している。

しかし我々には危機を機会に変える底力がある。実際、韓国は１９６９年の「ニクソンドクトリン」とこれによる在韓米軍の一部撤収以降、程度の差はあれ何度か米国優先主義の圧力に苦しんだが、そのたびに危機を乗り越えて今日の韓米同盟時代を開いた。トランプ政権１期目も韓国は米国の韓米自由貿易協定（ＦＴＡ）破棄圧力に対し、再改定で一時的に対米貿易黒字が減ったものの、トランプ政権任期末に反騰に成功した。防衛費分担金イシューも過度な増額要求を受けたが、国内総生産（ＧＤＰ）比で高い国防予算規模、世界最大規模の平沢（ピョンテク）米軍基地の戦略的効用性などを提示しながら、引き上げ率を過去より少し上げるラインで善戦した。


トランプ政権２期目を迎え、米国の戦略的目標が中国の覇権挑戦意志を挫くことにあるという点に留意する必要がある。これは中国と隣接した韓国の地政学的環境が今後の対米交渉でレバレッジになるということだ。米国発の国際安保・通商環境急変状況で日本・欧州連合（ＥＵ）との連携も積極的に検討する必要がある。何よりも国交正常化６０周年を迎えた今年、過去の問題は忘れないものの、未来志向的な韓日関係を構築することが両国の国益を守るのに役立つ。米中覇権競争の中で韓日が歩調を合わせ、ここに両国のリーダーシップの下ＡＳＥＡＮ国家とも連携する場合、その影響力はさらに拡大する可能性がある。

対北朝鮮政策に関してマルコ・ルビオ国務長官候補は対北朝鮮政策レビューに着手するという立場を明らかにした。政府は積極的な意見陳述を通して韓国の立場がより多く反映されるよう努力することが求められる。そのためにトランプ大統領と崔相穆（チェ・サンモク）権限代行間の電話、外交・産業通商など関連長官の訪米、トランプ政権幹部の早期訪韓などを積極的に推進する必要がある。