２０日（現地時間）のトランプ米大統領の就任式では、８年ぶりに前任大統領が後任大統領を祝う米国政治の伝統的な姿が再現された。



しかしトランプ大統領は就任式でバイデン前大統領を批判し、和合より葛藤を浮き彫りにした。トランプ氏はワシントン連邦議事堂中央ホールのロタンダで開かれた就任式で「わが政府は信頼の危機にある」とし「長い間、腐敗した既得権が国民の権力と富を搾取し、社会基盤が崩壊して荒廃した」と指摘した。


また「政府は国内問題をまともに管理できず、海外でも災難のような事件が相次いで揺らいでいる」と批判し、バイデン政権の国境政策を強く非難した。トランプ氏の発言にバイデン前大統領とハリス前副大統領は硬い表情を見せた。

トランプ氏は２０２０年の大統領選挙で敗れた後、バイデン大統領の就任式に出席しなかった。一方、バイデン大統領は政権移行の重要性を強調して就任式に出席し、伝統を守った。

この日の就任式には慣例に基づいて元大統領と元副大統領が出席した。共和党のジョージ・Ｗ・ブッシュ元大統領夫妻と民主党のビル・クリントン元大統領、ヒラリー・クリントン元国務長官、バラク・オバマ元大統領が出席した。ただ、オバマ元大統領の配偶者ミッシェル・オバマ氏は姿を見せなかった。元副大統領ではダン・クエール氏とマイク・ペンス氏が出席した。ペンス氏はトランプ大統領の大統領選挙結果不服に同調せず「裏切り者」と呼ばれた人物だ。

就任式は貴賓が座っている中、トランプ氏がロタンダに入場して始まった。出席者はトランプ氏が登場すると起立して拍手を送り、「ＵＳＡ」を連呼した。トランプ氏は妻メラニア氏と共にあいさつをした後、バイデン氏と握手した。議会合同就任式準備委員会（ＪＣＣＩＣ）のエイミー・クロブシャー上院議員は開会の辞で「就任式のテーマは『持続する民主主義』であり、今日この席に集まった元大統領と元副大統領がその証拠」と強調した。その後、Ｊ・Ｄ・バンス副大統領がブレット・カバノー最高裁判事の前で、トランプ大統領がジョン・ロバーツ最高裁長官の前でそれぞれ就任宣誓をした。

トランプ氏は８年前と同じく「合衆国大統領の職務を忠実に遂行し、全力を尽して合衆国憲法を維持、保護、擁護することを厳粛に誓う」と宣誓した。

今回の就任式は寒波のため１９８５年のレーガン大統領の就任式以来４０年ぶりに室内で開かれた。約８００席が用意されたロタンダとは別に奴隷解放ホールに１８００席が追加で準備された。しかしスペースが不足し、ロン・デサンティス・フロリダ州知事、グレン・ヤンキン・バージニア州知事らは画面で就任式を見守った。

半面、テスラのイーロン・マスク氏、グーグルのスンダー・ピチャイ氏、アマゾンのジェフ・ベゾス氏、メタのマーク・ザッカーバーグ氏などビッグテックのＣＥＯは閣僚より前の席に配置されて目を引いた。