金竜顕前国防部長官[写真 大統領室写真記者団]
金前長官側のイ・ハサン弁護士はこの日、ソウル中央地方法院(地裁)前で記者団と会い「布告令は国会の権能を利用して国政を麻痺(まひ)させている状況で政治活動を禁止する内容」としながら「いかなる錯誤もなかったと思う」と話した。
イ弁護士は「尹大統領の意向が反映された布告令だったか」という質問に「金前長官が直接草案を作成し、全体的な検討は当然尹大統領がした」とし「われわれの立場は変わっていない」と答えた。「金前長官と尹大統領は不正選挙に関連した勢力が政治活動を媒介して国会を掌握する現象が発生しているため、政治活動を禁止するという趣旨で作成し、これは正当」と話した。これに先立ち、尹大統領代理人団は14日、憲法裁判所弾劾審判第1回弁論期日に2次答弁書を出しながら「金前長官がそのまま書き写した文面の誤りを(尹大統領が)不注意に見逃した。布告令の表現が未熟だった」と主張した。
金前長官はこの日午前、ソウル中央地裁で開かれた第1回公判準備期日に直接出席して人的事項を確認する際に短く返事もした。金前長官側は「非常戒厳宣言は大統領の専属権限で司法審査の対象にならない」とし「一介の検事が大統領の憲法上の権限、政治的判断、統治権行使である非常戒厳宣言に対して正しいか正しくないかを判断すること自体が不可能で、司法府も審判権がない」と主張した。
これを受けて検察は「(12・12軍事反乱および5・18内乱事件判例など)非常戒厳拡大行為が犯罪の場合、司法審査の対象になるというのが大法院(最高裁)の確固たる態度」と反論した。
憲法裁判所でこの日尹大統領が参加しない中で開かれた弾劾審判第2回弁論でも尹大統領側は布告令などに関連し、金前長官を最初の証人として呼ぶように申請した。
鄭亨植(チョン・ヒョンシク)裁判官が「被請求人側が14日の答弁書で布告令は金前長官が作成し、被請求人が一部文面を修正することに関与したと話したが間違いないか」と尋ねると、尹大統領側は「具体的なことは金前長官を関連証人として申請して明らかにする」とした。鄭裁判官が再度「書面には布告令は反国家的活動を防ぐためのものだと記載したが、一体国会・地方議会の反国家的活動が何か明らかにしてほしい」と尋ねると、尹大統領側は「今後証人審問を通じて具体的に明らかにする」と答えた。
国会側と尹大統領側は12・3非常戒厳の性格を巡り初めての攻防を行った。国会側の金珍漢(キム・ジンハン)弁護士はプレゼンテーション画面を表示して▶非常戒厳宣言は戦時・事変、これに準ずる国家非常事態という憲法第77条1項宣言の要件に合わない▶国会封鎖および侵入は国会の戒厳解除要求権を破壊しようとした▶戒厳布告令宣言は自由民主主義の基本秩序を本質的に侵害したもの--と主張した。
反面、尹大統領代理人団である曺大鉉(チョ・テヒョン)弁護士は「国会過半数勢力が大統領を内乱罪に追い込み、違法に弾劾訴追を行い、大統領は拘置所に収監されて弁論期日に出席できなかった」と反論した。続いて「戒厳宣言は大統領が自由民主主義を保衛するために非常大権を行使したもの」と主張した。憲法裁判所はこの日、金前国防部長官、ホン・チャンウォン前国家情報院1次長、趙志浩(チョ・ジホ)警察庁長官、郭種根(クァク・ジョングン)特殊戦司令官、李鎭遇(イ・ジヌ)首都防衛司令官、呂寅兄(ヨ・インヒョン)防諜司令官ら6人を証人として採択した。憲法裁判所はまた、尹大統領側が「不正選挙」疑惑に関連して要求した2020年4月総選挙前後に中央選管委選挙研修院に在留していた中国国籍の開票事務員名簿に対して事実照会を行うことにした。
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