在韓米軍の運用戦略に変化が起きる可能性も排除することはできない。第2次トランプ政権の安全保障政策のブレーンになると予想される国防次官に指名されたエルブリッジ・コルビー氏は昨年4月に中央日報とのインタビューで「韓国は米国の在来式戦力支援に対する期待を減らし直接韓半島(朝鮮半島)を防衛しなければならない。在韓米軍の役割を対北朝鮮防衛から対中抑止に焦点を合わせる側に転換しなければならない」と主張した。
これと関連して成均館(ソンギュングァン)大学政治外交学科のチャ・テソ教授は、「トランプ氏が追求するアメリカファーストの終わりは『アジアの安全保障はアジア人の手に』としてベトナムから撤収したニクソン氏と大きく異ならないだろう。すると韓国核武装論など以前には過激に見えた議論が見違えるように活発になるかもしれない」と予想する。
第2次トランプ政権の対中戦略はニクソン氏が米ソ冷戦構図で有利な位置を占めるために米中和解にドライブをかけた「キッシンジャー(当時国務長官)戦略」のアップグレード版になる可能性が提起される。新興覇権国として浮上した中国の牽制に向けロシアと組んで新冷戦体制を有利に持っていこうとする「逆キッシンジャー戦略」だ。
米国製造業の復興を叫ぶトランプ氏がこのために押し進める「普遍関税10~20%」の公約も元をたどればニクソン氏がいる。ニクソン氏は1971年にドル中心の金本位制度であるブレトン・ウッズ体制を終わらせると発表し、いわゆる「ニクソンショック」を呼んだが、当時ドル保護と貿易収支改善を理由に「普遍関税10%」という超強硬手段を取った。競合国の通貨価値切り上げを圧迫するためのカードだった。
ニクソン氏の普遍関税ドライブは一時的には成功したように見えたが、米国内の輸入物価上昇にオイルショックなどが重なりかえってインフレが深刻化し、世界経済に悪影響を及ぼした。慶熙(キョンヒ)大学政治外交学科のソ・ジョンゴン教授は「トランプ2.0時代に関税という武器を乱用すればどうなるのかニクソン政権が参考事例になるだろう」と話す。
トランプ氏のルーツを探せば現れるニクソン氏との類似性は第2次トランプ政権を迎える韓国にも示唆点を与える。ソ教授は「予測不可能性のトランプ2.0時代に韓国が受動的にだけ対応すればトランプ政権の要求の言いなりになり続けることになりかねない。むしろ攻勢的にアジェンダを先に投げかける方式で状況を主導する必要がある」と話した。
「リスク管理」に努める必要があるという提言も出ている。チャ教授は「新自由主義と世界化時代という長い夏が過ぎ去り、新冷戦の酷寒が迫っている。新冷戦の冬は相当期間続きそうならわれわれに最も重要なことはリスクマネジメントだ」と強調した。
54年前にすでに関税10%の強硬策…ニクソンを見れば第2次トランプ政権が見える(1)
これと関連して成均館(ソンギュングァン)大学政治外交学科のチャ・テソ教授は、「トランプ氏が追求するアメリカファーストの終わりは『アジアの安全保障はアジア人の手に』としてベトナムから撤収したニクソン氏と大きく異ならないだろう。すると韓国核武装論など以前には過激に見えた議論が見違えるように活発になるかもしれない」と予想する。
第2次トランプ政権の対中戦略はニクソン氏が米ソ冷戦構図で有利な位置を占めるために米中和解にドライブをかけた「キッシンジャー(当時国務長官)戦略」のアップグレード版になる可能性が提起される。新興覇権国として浮上した中国の牽制に向けロシアと組んで新冷戦体制を有利に持っていこうとする「逆キッシンジャー戦略」だ。
米国製造業の復興を叫ぶトランプ氏がこのために押し進める「普遍関税10~20%」の公約も元をたどればニクソン氏がいる。ニクソン氏は1971年にドル中心の金本位制度であるブレトン・ウッズ体制を終わらせると発表し、いわゆる「ニクソンショック」を呼んだが、当時ドル保護と貿易収支改善を理由に「普遍関税10%」という超強硬手段を取った。競合国の通貨価値切り上げを圧迫するためのカードだった。
ニクソン氏の普遍関税ドライブは一時的には成功したように見えたが、米国内の輸入物価上昇にオイルショックなどが重なりかえってインフレが深刻化し、世界経済に悪影響を及ぼした。慶熙(キョンヒ)大学政治外交学科のソ・ジョンゴン教授は「トランプ2.0時代に関税という武器を乱用すればどうなるのかニクソン政権が参考事例になるだろう」と話す。
トランプ氏のルーツを探せば現れるニクソン氏との類似性は第2次トランプ政権を迎える韓国にも示唆点を与える。ソ教授は「予測不可能性のトランプ2.0時代に韓国が受動的にだけ対応すればトランプ政権の要求の言いなりになり続けることになりかねない。むしろ攻勢的にアジェンダを先に投げかける方式で状況を主導する必要がある」と話した。
「リスク管理」に努める必要があるという提言も出ている。チャ教授は「新自由主義と世界化時代という長い夏が過ぎ去り、新冷戦の酷寒が迫っている。新冷戦の冬は相当期間続きそうならわれわれに最も重要なことはリスクマネジメントだ」と強調した。
54年前にすでに関税10%の強硬策…ニクソンを見れば第2次トランプ政権が見える(1)
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