台湾のコンピューター部品企業「ギガバイト」が米ラスベガスで開催されたCES2025で、自社のAIコンピューティングソリューション新製品を発表した。写真はAIコンピューティングブース。 [写真 ギガバイト]
業界の関心は今回も「台湾企業」に集まっている。世界最大家電・情報技術(IT)展示会「CES2025」では、設計や製作、供給など主要B2B(企業間取引)市場に留まっていた台湾IT企業が前面に出て存在感を表した。こうした中、ファンCEOが核心パートナーとして台湾企業をピックアップした。AI市場が拡大し、台湾が「部品供給国」以上の主要走者に浮上しているという分析が出ている。
◆エヌビディアが注目した「メディアテック」…TSMCに続くAIスーパースターか
最も有力な候補は台湾のファブレス(半導体設計専門)企業「メディアテック」だ。6日(現地時間)のCES基調演説で、ファンCEOは「AI大衆化」に関するビジョンを提示しながらメディアテックに言及し、業界の耳目が集まった。この席で個人用AIスーパーコンピューター「プロジェクトデジット」を公開したファンCEOは「メディアテックと共同作業をし、一級秘密チップCPU(中央処理装置)を作って生産中」と明らかにした。
手のひらサイズの超小型コンピューターにはエヌビディアが開発した「ブラックウェルGPU」と「グレイスCPU」の統合チップセット「GB(グレイス・ブラックウェル)10」が搭載された。メディアテックはCPUを共同開発した。AI演算を担当するGPUとこれを調整するCPUの有機的結合がAIコンピューターの性能を左右するだけに、メディアテックがエヌビディアの核心パートナーに定着したという評価だ。
メディアテックの技術力が立証されたという見方もある。1997年に設立されたメディアテックはかつてサムスン電子に中低価格モデムチップを供給するなど普及型モバイルAP(スマートフォンの頭脳の役割をする半導体)市場に力を注いだ。しかし最近は高性能AP市場でも存在感を高めた。ファンCEOは「ARM基盤のシステムオンチップ(SoC)設計リーダーのメディアテックと協力し、同級最高電力効率性と性能、連結性確保に寄与した」とメディアテックを評価した。
◆部品会社からCESの主流に成長した台湾企業
今年のCESでは、AI市場を先に確保しようと前面に登場した台湾部品企業が目を引いた。PCのメインボードを製造する「ギガバイト」はAIコンピューティングブースを別に設置し、自社が開発したAI専用サーバーや冷却システムなどAI関連製品を紹介した。
PCに搭載されるオーディオチップセット製造で知られる「リアルテック」もAIスマートスマートグラスとスマートTV関連技術を公開した。リアルテックは独自で開発したAIアルゴリズムを通じて音声命令の正確性と処理速度を向上させたと強調した。
◆メディアテック・エヌビディア「AI同盟」を歓迎するArm
メディアテックなど台湾企業がAI生態系拡張に積極的に取り組む場合、CPU市場ではArm陣営がその恩恵を受けると予想される。CPUの設計方式は大きくx86とArm方式に区分されるが、PC市場では米国のインテルが主導するx86方式が業界の標準として定着した。モバイルAPは低電力に強いArmが市場を独占しているが、PCは依然として性能優位のx86設計方式のCPUが80%以上のシェアを占めている。
しかしエヌビディアを主軸に個人用AIコンピューターが普及する場合、Arm基盤のCPUの影響力も強まるとみられる。Armクライアント事業部のクリス・バギー事業部長は8日(現地時間)、CESで中央日報の記者に対し「エヌビディア、メディアテックなど世界最高の半導体企業はすべてArmのパートナー」とし「世界の人々が低電力PCの価値と重要性に注目し始めただけにArmの役割もさらに拡大するだろう」と話した。
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